だじりの日記

今年の夏から欧州MBAに留学予定。ビジネス・経済×アジア×MBAを中心に、考えたことをつづります

林 壮一『体験ルポ アメリカ問題児再生教室~殺人未遂、麻薬、性的虐待、崩壊家庭~』〜読書リレー(108)〜

 

 ジャーナリストによる、アメリカに存在する「Opportunity School」いわゆる問題児再生の教室のルポ。緻密なインタビューと再生教室における指導体験をベースに、アメリカ社会の最底辺層における教育状況と、課題について浮き彫りにしています。

 

アメリカにおいては、学校で何らかの問題を起こした生徒を集め、社会に復帰できるように更生していく「Opportunity School」なるものが存在するというのです。詳しくは本書を見ればわかるのですが、中には担任をナイフで殺そうとしたり、拳銃を学校に持ってきたりと、日本から考えるとかなり桁違いの問題児が取り上げられています。

 

一方で、Opportunity Schoolのレポを通じて、そうした問題児が問題行為をすることもしかり、そうした問題児を生み出してしまう社会構造についても思いを馳せざるを得ません。Opportunity School に送られてくる生徒の 98 パーセントは家庭が崩壊しているというのはOpportunity Schoolの教師ですが、家庭崩壊を生み出している社会の現状を見ていかない限り、こうした問題は存在し続けるのではないのか?と考えてしまいます。

 

アメリカにおいては、貧富の差が拡大し、また移民の増加に伴い、基盤となっていたローカルコミュニティが徐々に崩れていく状況にあります。2016年にトランプ大統領が就任したことは記憶に新しいですが、彼はそうした白人貧困層に「アメリカファースト」を唱え、ポピュリズムの手法に訴えることによって支持層を拡大していったわけです。

 

政治学の投票行動における理論においては、人々の社会理解のレベルが高まれば高まるほど、投票の費用対効果を考えて投票率は下がるといいます(政治の他にも、自分の生活を豊かにする手段はいくらでもあるという前提のもと)。これはすなわち、政治に関する関心が薄れていく、ということを表しています。しかしながら、このように大統領選で新しい支持層を獲得して言ったということは、人々が政治に救いの手を求めた、ということになるのであり、他に頼れるようなセーフティネットがないということなのです。ここから、ポピュリズムは、貧困層の訴えの声をあわらしているのであり、そうした貧困層の出現は、すなわちこうした問題児再生教室を生み出す温床になっていると考えられなくもないわけです。

 

今でこそ日本ではそうしたポピュリズムの動きは見られませんが、近い将来貧富の差が拡大するにつれて、そうした動きが出てくる可能性もあるのでは?と見られています。そうすると、巡り巡って、こうした「問題児再生教室」のような状況が生み出される可能性もあるのではないんだろうか、そう考えさせられてしまう本でした。

 

では、では

洋書活用のメリットデメリット〜純ドメがTOEFLを独学で攻略する〜

今回は教材関連について。TOEFLの攻略に洋書を活用するべきだという声は多く、ネット上でも大いに話題になっています。そうした情報に私も踊らされ、はじめの方は洋書を手にして勉強していたものです。

 

リーディングでは、「Mastering Skills for the TOEFL iBT」シリーズを、ListeningではDeltaを活用して勉強に励んでいた時期もありました。一方で、アウトプット系についてはスピーキングでは日本の教材を使っていました。

  

Delta's Key to the TOEFL iBT: Advanced Skill Practice

Delta's Key to the TOEFL iBT: Advanced Skill Practice

 

 

TOEFL TEST対策iBTスピーキング

TOEFL TEST対策iBTスピーキング

 

 

結果からいうと、洋書を使ったからと言ってあまりスコアは伸びませんでした。むしろ、スランプを作り出した一因になっているのでは?と思っています。

 

下記はあくまで個人的な感想でしかありませんが、洋書を活用する際のメリット・デメリットについて考えましたので以下ご参考ください。

 

洋書を使うことのメリット

① 良質な教材

これは特に日本の教材と比較して、という限定的なメリットにはなりますが、やはり海外で出版された教材の方が、日本で出版されている教材と比較して質が良く、レベルも総じて高めだという点です。頻出の単語等もさすがに抑えており、同様のトピックが出たこともあります。

 

②問題量が多い

日本の教材は何かと解説が多いのに比べ、洋書の場合はとにかく練習問題が多い、という印象を受けます。

 

洋書を使うことのデメリット

①解説が英語→初級者には厳しい

今考えればこれがスランプに陥った一番の原因かと。当たり前ではありますが、洋書なので、解説などは全て英語です。ですので、もともと英語の基礎もおぼつかないような人にとっては解説を読むのにも一苦労します。私の場合、「高得点取るんだったら解説もきちんと英語で理解できるようにしないと!」と意気込んでいたのですが、結局デモチベートされるだけにすぎませんでした。

 

②結局本番と形式が違う

これら洋書は、日本語の書籍と比べればちょうど良いくらいのレベル感なのですが、やはり本番の試験に限りなく近いかと言われれば、そうではないと言わざるを得ません。その点を理解せずに、洋書だけをといて「対策は完了!」と思っていると、痛い目にあいます(私がそうでした笑)

 

とここまで、メリットデメリットと述べてきましたが、私が購入した洋書の中で一番よかったと思う本を紹介します。ライティングの本です。

Barron's How to Prepare for the Toefl Essay: Test of English As a Foreign Language (Barron's How to Prepare for the Computer-Based Toefl Essay)

Barron's How to Prepare for the Toefl Essay: Test of English As a Foreign Language (Barron's How to Prepare for the Computer-Based Toefl Essay)

 

 ライティングのエッセイの書き方についてまとめられた本なのですが、巻末の185の例題と、それの模範解答が書かれています。日本ではすでに入手が困難で、私が購入した当初もAmazonで古本を購入しました。

 

 この本の素晴らしいところは、それぞれの例題を通じて、英語のエッセイの書き方について徹底的に叩き込むことができる点です。また、例文が多く、様々な表現を盗むことができます。私はこの本を活用し、2ヵ月後のテストでWritingで27点を取ることができました。おすすめです。

 

では、では

佐藤文男『3年後、転職する人、起業する人、会社に残る人』〜読書リレー(107)〜

ちょっと気が緩むと、更新が滞ってしまいますね。やっぱり怠け癖はなかなか治らないようです。気を取り直して、読書リレーにいきたいと思います。 

3年後、転職する人、起業する人、会社に残る人

3年後、転職する人、起業する人、会社に残る人

 

 キャリアアドバイザーである著者が、転職・起業・会社に残るという三つの視点から、キャリアについて述べた本です。表題にもある通り、仕事人生に戦略を持とうという観点で書いているため、様々なキャリアが網羅的に書かれており、自分がビジネスパーソンだとして、今自分がどのようなポジションに位置付けられるのかを考えさせてくれる本です。

 

ともすると当たり前のように思えるような本ですが、こうした本はなかなかないのではないか?と思います。そしてだからこそ、転職まではいかないけれどもキャリアについて考えてみたい多くのビジネスパーソンにとって有意義になる本になっているのではないかなと思います。

 

ビジネスパーソンは普段の業務に忙殺され、自分の置かれている状況や考えをなかなかメタ的な観点から捉えることができません。それもそのはずで、基本的にそうした思いというのはなかなか外部に(社外も含めて)アウトプットするのがはばかられるからです。しかし著者は長年のキャリアアドバイスの経験から様々なケースに触れてきており、色々なパターンのキャリアのあり方を提示してくれます。そうした点では、人に話を聞けないセンシティブなトピックである以上、こうした本は役に立つ、という者なのです。

 

特にこの本の中で描かれている興味深い点が、転職に関するアドバイスです。著者は、転職は「宇宙人になったつもりで」「ゼロクリアボタンを押す」と説明します。どういうことかというと、いくら社会人経験が長い人材であるとは言えども、会社が異なれば社内のルールが全く異なるわけです。こうした中では、前職の経験に縛られて、「今までこうしてきただから、今回もこうすれば正しいのだ」というような考え方では通用しない、ということになるのです。このため、転職した際には、あたかも新しい星に着陸した宇宙人のように振舞うべきだとしています。

 

また後者のゼロクリアボタンについても同様の点から言えます。すなわち、前職で培った社内人脈や知識は、ほとんどと言っていいほど役に立たなくなるわけです。転職をする際に、そうした点をしっかりと理解した上で、(一昔前のテレビゲームの表現だとは思いますが)リセットボタンを押す勇気があるのか、というのが一つの転職の際のキーワードになってくる、というのが著者の主張です。

 

近年、日本においても労働市場流動性が高くなってきており、転職市場はさらに拡大を続けているといいます。しかし、転職後に現実と理想のギャップに悩み、結局数ヶ月で退職してしまうというケースがあとをたたないと聞きます。この本が出版されたのは3年も前ですが、今でも通用する、いや今だからこそ価値があるような一冊かと思います。

 

では、では

ディクテーションの有効性〜純ドメがTOEFLを独学で攻略する〜

英語の基礎的な能力を上げるうえで、私が有効だと思ったものに「ディクテーション」があります。ディクテーション(Dictation)とは、読み上げられた外国語の文章や単語を書き取ること、と言う意味ですが、これをすることで自分が聞き取りにくい英単語や語順などの傾向性をつかむことができ、特にリスニング能力の向上に努めることができました。

 

かなり時間はかかりましたが、このディクテーションを実施して半年近くで、Listeningセクションで5点(20→25)上げることができましたので、それなりに有効な手段だったと思います。

 

では、このディクテーションをどのようにしたのかについて紹介したいと思います。

 

私は、「Scientific American」という以下のサイトを活用しました。

 

https://www.scientificamerican.com/podcast/60-second-science/

 

このサイトでは、サイエンスの様々なトピック(生物学、地理学、考古学など)について、最新の研究成果やニュースについて、2分から3分近くの英文で紹介されているサイトです。毎日更新されており、英文の朗読と、英文の原稿が掲載されています。インターネット上から音源もダウンロードすることができます。

 

私はこのScientific Americanを活用し、ディクテーションを行いました。具体的には、音源をダウンロードし、リスニングをすると同時にEvernote上に聞き取れた内容を書いていきます。その後、原稿と自分が聞き取った内容とを比較し、齟齬がないかを確認していきます。

 

では、なぜScientific Americanでディクテーションすることが有効なのでしょうか?私なりに考えて、次の2つの理由があります。

 

①レベル感がちょうど良い

Scientific Americanで扱われるトピックは自然科学を中心に多岐にわたっており、難易度の高い英単語も問答無用に出てきます。ほどよい難易度ですので、TOEFLの試験問題にもそのまま出てきそうなトピックが出てきます。

 

②長さがちょうど良い

一つの記事がだいたい2分〜3分ですので、ディクテーション→確認と復習まで、慣れれば30分くらいで全てをやり終えることができます。30分と言うのはちょうど良い時間で、出勤前や寝る前など、隙間の時間にも取り組みやすい、というメリットがあります。

 

もちろん、ディクテーションだけをしたからといってリスニング能力が劇的に伸びるとも言い切れません。TOEFLの試験準備においては、以下の2点に注意する必要があります。

 

TOEFLのリスニングで求められる範囲は、もっと広い。

Scientific Americanでは自然科学を中心としていますが、TOEFLで求められる範囲は自然科学のみにとどまりません。人文科学や社会科学も網羅する必要があるため、これらの対策を怠ると点数は上がりません。事実、私の場合はバックグランドが文系でしたので、社会科学の英語については問題はありませんでしたが、人文科学とくに美術史や建築などについてはベースとなる知識量が乏しく、対策に苦労した覚えがあります(今覚えば、半年かかったのも、こうした人文科学の分野で点数が取れなかったのでは、と分析しています)

 

TOEFLのリスニングは、もっと長い。

Scientific Americanでは、2分から3分の長さになっていますが、TOEFLのリスニングの長さは、最長(レクチャー形式)で3分から5分となっています。このため、慣れない英語を聞き続ける忍耐力と言う観点で言えば、ディクテーションで養える能力は限られるといえるでしょう。

 

以上のようなデメリットもありますが、やはり私のように「基礎もおぼつかない」ような人にとっては、ディクテーションは一つの有効な手段かと思います。ただ、留学経験や英語での業務経験もあり、ある程度のベースがあると思う方は、ディクテーションは飛ばしても良いかと考えます。ご参考になれば幸いです。

 

では、では

英単語〜純ドメがTOEFLを独学で攻略する〜

ここからは、実際にスコアアップのために私がどのような取り組みを行ってきたのかという点にフォーカスし説明したいと思います。まずは、一番の土台の部分である英単語を取り上げていきます。

 

TOEFLの試験は「英語非ネイティブの留学生が英語圏の大学に留学する際の能力を測る」がそもそもの原点ですので、取り扱われる英語の内容も学術面が多くなっています。また、学術面と一言で言いましたが、その分野は非常に広く、歴史や芸術などの人文科学から社会学などの社会科学分野、そして地理や生物などの自然科学など、全てを網羅しているテストとなっています。このため、カバーしなければならない英語の量が非常に多いのが特徴です。

 

例えば、リーディングでは氷河のメカニズムについて、リスニングではある芸術家の作品のスタイルの変化について、スピーキングではビジネスについて、ライティングではある昆虫の生存戦略について取り組むことになります。その内容自体は難しいものはなく、文章さえきちんと理解できれば、専門知識がなくても問題を解くことが可能なレベルの文章に設定されてはいます。しかし、単語がわからなければたとえ平易な内容であったとしても理解することはできない、と言うのがTOEFLです。このため、全セクションに通じるベースの確立という観点からも、まず英単語の勉強は欠かせないと言えるでしょう。

 

こうした理由から、私のような純ドメのような人がTOEFL準備をするならば、まず単語から始めることを推奨します。英単語に関する一定の知識がないとそれぞれのセクションで必要な問題を読み解くということ自体ができなくなってしまうからです。実際に私も、初めてのTOEFL受験にあたり、まずは半年かけてゆっくりと単語を覚えていきました。

 

現在日本で市販されているTOEFL用の英単語本は数多く存在しますが、以下二つが非常に有名です。MBAで必要な点数を取るにあたって対策を進める上では最適のレベルだと思いますし、多くの日本人受験者もこれをバイブルに準備を進めてきています。実際に私も使ってみて有効性を感じたため、間違いはないと思えるでしょう。

 

 

①神部孝著『TOEFLテスト英単語3800』(旺文社) 

【CD3枚付】TOEFLテスト英単語3800 4訂版 (TOEFL(R)大戦略)

【CD3枚付】TOEFLテスト英単語3800 4訂版 (TOEFL(R)大戦略)

 

言わずと知れたTOEFL英単語のバイブルです。分野を分けず難易度別にレベル1~4までに分類しており、特にレベル3での的中率は非常に高くなっています。レベル4については、やる必要があるのかないのかという点について様々な場所で議論がされていますが、私は取り組むべきだと考えます。なぜなら、レベル4からも結構な確率でテストに出てきますし、また将来的に英語で授業を受けることを想定すると、レベル4の英単語は容易に出現することが想像されるため、今のうちからやっておいたほうがいいという結論にたどりつきました。また後々別の英語の試験であるGMAT対策において非常に有効であることを実感したため、この判断に間違いはないと思います。


勉強の方法としては、ただひたすらに使い倒すの一言に尽きます。単語が赤字になっているため、シートを使えば隠すことができます。これを使って、まずは暗記していく。また、もう一つ有効な使い方として、類語などを下に書き込むことにより、関連性を理解するにも役立つと思います。

 

②林功著『TOEFLテスト必須英単語5600』(ペレ出版

改訂新版 TOEFL TEST 必須英単語5600(CD BOOK)

改訂新版 TOEFL TEST 必須英単語5600(CD BOOK)

 

こちらも①と並ぶ名著といえます。ただし、この本は人によって評価が分かれます。この本の特徴は、単語だけでなくて各分野の文章を掲載し、そこで出てきた単語をリストとして掲載するというスタイルをとっています。このため、単語を文章の中で理解することができるし、加えて各分野の文章の理解をすることで、実際の試験で出てくる文章に慣れておくことができる、というメリットがあります。CD付きで、文章も読んでくれることから、リスニングの対策にもなるという、かなり汎用性の高い一冊となっています。


ただし、デメリットとしては、そうした汎用性を求めるあまり、単語帳としての機能が中途半端になってしまっているということが挙げられます。実際に手にとって読んで見るとわかるが、単語帳としてはいささか使いづらい、と言うのが印象です。文章のページと単語帳のページが混在しているため、後から索引しづらいし、難易度別に分けられていないため、分野を超えて頻出する単語がわかりづらいという問題が生じてしまいました。これはこのタイプを採用してしまったがための構造的問題なのである程度仕方ないとも言えます。


ただ私としては、このデメリットを踏まえても、購入する価値はあったと思っています。TOEFLに必要なベースの知識を蓄えるという点では、各分野満遍なく文章が組み込まれており、単語以上に勉強するものが多かったといえます。


ちなみに、ネットの議論では、この英単語は難しすぎて必ずしもTOEFLテストで出てこない単語が多数含まれている、という指摘が散見されます。私も実際に使ってみたが、確かにその傾向性はあると思います。問題なのは、どれが頻出なのかそうでないのかがわかりづらいという点かと。

 

では、単語帳を購入するにあたり、あえてどちらかを選べと言われたら、私は前者を選びます。なぜなら、①は純粋な単語帳として使うことができるからです。どちらかと言うと②はリーディングやリスニングの対策に有効ではありますが、単語帳としての使いやすさで言えば、①に軍配が上がります。

 

ちなみに、これら単語は、単純に「読む」だけでなく、「聞く」「話す」「書く」ことも求められます。読む、聞くことについては、それがわからないと理解ができないというケースがあるため、守りの観点から必要です。一方で話す、書くについては、それが難しい言葉であればあるほど採点者から高評価を受け、得点アップにつながるため、攻めの観点から必要です。ただし後者については、正しく使えていないとかえってマイナスとなってしまうため、完全な定着をしていない限りは使う必要はないといえるでしょう。

 

では、では

全般〜純ドメがTOEFLを独学で攻略する〜

2018年8月のMBAプログラムの開始まで少しずつ時間が迫ってきている今日この頃、色々ドタバタはしていますがなんとか準備を始めつつある状況です。プログラム開始後は目の前のことで身動きが取れない状況になると思いますので、振り返りも兼ねて、このタイミングでMBA受験準備について私の経験を紹介していきたいと思います。

 

海外MBAにおいて日本人出願者が最も苦労するのは英語による試験だと思います。この「英語による試験」には、大きく分けて二つあり、一つは英語の能力そのものを測るテストで、TOEFLやIELTSがあります。もう一つは、MBAに必要な論理的思考力や基礎的な数学の能力などを測るテストで、GMATやGREがあります。私は英語に関しては、英米留学/在住経験なしのいわゆる「純ドメ」人間ですが、MBA出願において、TOEFL、GMATを選び、いずれも独学で準備を進めました。ここでは、TOEFLについてどのような対策をすれば良いか、まとめていきたいと思います。

 

(1)TOEFLとは?

TOEFLは、リーディング・リスニング・スピーキング・ライティングという四つのセクションに分かれており、各セクション30点満点の合計120点のテストです。特にスピーキングやライティングと言った試験は、日本人にとって不慣れな分、対策が必要になってきます。

 

(2)MBA出願に必要な点数は?

では、具体的にどれくらい点数を取る必要があるのでしょうか?海外MBAの中でも、トップスクールになればなるほど点数の要求が厳しくなっており、例えばアメリカで絶対的ポジションにあるハーバードだと109点を足切り設定にしています(足切りといっても実際には「strongly encourage」(強く推奨する)というものであり、実際にこれを下回る点数で受かった人もいます)。このため、欧米のトップスクールをめざす人は、110点越えを狙ってきます。

 

しかし、いざ試験を受けてみると、110点と言うのは非常に厳しい基準であることがすぐにわかります。私もネット上や友人関係で色々と見ていますが、ノンネイティブ・英米留学経験なしで110点を超える点数をとった方は皆無に等しい状況です。それくらい難しい基準であることがわかります。このため、目標としては110点をとることを念頭に戦略を立て、最終的に105〜110点に落ち着く、というものが現実路線と言えるでしょう。

 

ただ、トップスクールと言えないまでも、欧米MBAに留学するのであれば、100点越えは必須であると言えるでしょう。 もちろん、100点以下の点数をとって合格した人も散見されるようですが、おそらくプログラムが開始した後が大変になると思います。TOEFLは結局のところ英語の能力を測る試験ですので、それくらいの点数を取らないと、授業でついていくことができないでしょう。

 

(3)どう準備していくべきなのか? 

帰国子女でもなく・また欧米留学経験もない日本人にとって、TOEFL準備のベースとなるのが大学受験での英語だと思います。これは比較的インプットを中心に設計されており、リーディングやリスニングの比重が重い一方で、アウトプットとなるスピーキングやライティングが少ないのが特徴と言えます。ただし、TOEFLのテストは大学受験以上の難易度を持っており、ましてや大学受験以降英語に触れてこなかった人(→私です)はそのベース自体が老朽化している可能性が高いため、さらなる知識の習得が必要となります。

 

日本人にとって比較的点を稼ぎやすいのは、対策がしやすく、かつ得点の上げ方もわかりやすいリーディングとライティングです。一方、スピーキングとリスニングは対策がしづらいこともあり、伸び悩むと思います。このため、リーディングとライティングは基本的に満点を狙い、リスニングを安定させて25以上とるようにし、スピーキングを20以上までに持っていければ、それで105点を超えることができます。

 

ここで厄介なのが、TOEFLはすべてのセクションを1日まとめて取り組む必要があるため、その日のコンディションによって得点が大きく左右される、という点であるといえるでしょう。試験の順番は、リーディング→リスニング→スピーキング→ライティングであり、何か事前のセクションでミスをしたことが頭に残っていると、次以降のセクションに大きな影響を及ぼします。それもあり、全てのセクションのスコアが安定して取れないケースもあるため、リスニングが良く過去最高の得点を取れたと思ったら、リーディングのスコアがこけてしまい結局全体として一緒のスコアに落ち着く、ということもありました。

 

幸い、大学側に提出するスコアは一つのみで良いため、何度受けても選考のプロセスにマイナスにはなりません。そのため、多くの人が推奨しているように、毎月に1~2回程度何度も受験し、全てのセクションのスコアが出揃うのを待つというのも有効な戦略であるといえるでしょう。

 

(4)私はどうだったか?

私の場合、初めて試験を受けてから、提出スコアである108点(それでも決して高い点数とは言えないのだが)に至るまで、実に一年半近く、回数にして13回テストを受けることになりました。以下は具体的なスコアの推移です。(カッコ内は、リーディング・リスニング・スピーキング・ライティングの点数)

 

1回目:78(21,19,15,23) ->大学院はおろか学部交換留学もできないレベル…

5回目:92(27,23,19, 23)->半年かけて90点到達…

9回目:104(29,28,18,29) -> 1年かけてやっと100点越え

10回目:101(28,26,20,27) ->まさかのダウン。スピーキングで初の20越え

13回目:108(29,27,23,29) ->提出スコア

 

スコアを見る限り、全てのセクションで伸び悩み大きく苦労していたことがわかります。結果的には1年半の間に30点のスコアアップができましたが、内実を見て見ると、ある点を境に一気に上がったわけではなく、回数を受けるうちに点数が徐々に上昇して行ったというような傾向を有しています。スコアアップには付け焼き刃のテクニックよりも、着実に実力を高めていく正攻法しかないということでしょうか。

 

一方で、この1年半を全て独学で行ったので、効果のあった勉強法については語ることはできます。(逆に言うと、もっと早めに知っておけば13回も受けなくてよかったのではないか?という残念な気持ちがあります。)と言うことで、今後はその対策についてフォーカスしたいと思います。

 

では、では

小野雅裕『宇宙を目指して海を渡る MITで得た学び、NASA転職を決めた理由』〜読書リレー(106)〜

「グローバル人材」とは何か考えさせてくれる本です。

 

MITで大学院生活を過ごした著者による、アメリカ大学院での生活や仕組みについて自身の経験をまとめた本です。日本で学部生として卒業したのちにアメリカで就職するまでの、大学院で起きたことやMIT独自の文化(MITハックなど)を紹介するとともに、日本にとらわれないキャリア観について訴えている本です。

 

一見すると他の書籍にもみられるような留学体験記と大差ないような内容なのですが、しっかりと大学院の仕組みについて説明が加えられており、いかにアメリカが世界中から優秀な人材を集めることができたのか、この本から垣間見れる気がします。アメリカの大学院は学費が概して高いのですが、奨学金やスポンサーなどが充実しており、大学院性はほとんど学費を自費負担で払わずにすみます。

 

しかしこうした奨学金やスポンサーにも競争がつきものです。ここがポイントで、大学院性は奨学金を得るために、それこそ死に物狂いで論文の執筆や研究に努めます。こうしたサイクルがアメリカの大学院の制度を作り出しているといえます。

 

こうした制度は日本にはほとんどと言っていいほどなく、あったとしても博士課程以降から存在する日本学術振興会の特別研究員制度くらいでしょう。しかし修士以降はこうした制度はなく、またこの学振もポスドクは日本人の学生が対象になるので、競争を醸成させるという点においては十分と言えるのか疑問が残ります。

 

また、この本で特に取り上げられていたのが、「グローバル人材」というものです。著者は日本で叫ばれているグローバル人材というものに非常に懐疑的な視点を持っています。英語ができたからと言って、また留学したからと言って、彼ら彼女らがグローバル人材と言えるのか、実際に留学して周囲を見てきた経験から疑問を投げかけています。

 

「語学留学生や大企業からの社費留学生の中には、目標を高く持ち頑張っていた方も数多くいた一方で、どんな成績を取ろうと帰国後の身分が安泰であるのをいいことに、留学を夏休みと勘違いしている人もいる。」

 

「彼らは最低限の努力で必要な単位のみ集め、週末ごとに日本人とばかりつるみ、暇さえあれば旅行やゴルフに明け暮れていた。彼らが「グローバルな経験」をしたとは、僕には思えない。」

 

もちろん、自身で奨学金獲得を進めてきた著者からすると、こうした周囲の留学生が妬ましく見えたのかもしれません。しかし、グローバル人材・グローバルな経験というのには甚だ遠い実態というのが見えてきます。

 

このくだりを読んだ時、私の台湾留学・そして中国駐在において同じようなシチュエーションを何度も経験し、「結局アジアにとどまらず、どの地域も一緒なんだな」と感じてしまいました。台湾はまだ台湾人が友好的で、日本人に振り向いてくれる機会が多いために、現地に溶け込む機会も多く取ることができたのですが、中国となるとさほど関心がないことから、どうしても日本人は日本人同士で集まる傾向があるようです。日本人同士でつるみ、日本語のできる店員のいる日本食レストランに集まり、中国ローカルスタッフに対する愚痴を日本語でいいあう日本人駐在員を度々目にします。こうした状況を目の当たりにし、果たして海外と言えるのか疑問に思ったことは一度ではありません。

 

この著者が言うように、日本で言われているところの「グローバル人材」について、改めて考える必要がありそうです。

 

では、では