10月11日 〜組織行動とか〜

昨日フルのイベントでしたが、容赦無く午前中から授業です。Uncertainty Data and JudgementとFinancial Accounting、午後にOrganisational Behaviourの授業でした。回帰分析と無形資産について、午後はチームマネジメントについてでした。

 

午後の授業は個人的には引っかかるものでした。ケースを読んで、それについて議論をするというものなのですが、南米のファミリービジネスで、CEOによるカリスマ的なガバナンスから、社員の一人一人の意志を尊重するスタイルに変化したところ、売上が向上したというストーリーでした。ただ後者においては、①スーツ着用をやめる②好きな職務を好きなように行う③社員が管理職を評価する という、ガバナンスを大きく社員に委譲するということを行なっています。

 

実は私は、このケースには少し疑問を持って接していました。というのも、私は中国にいた時に、自分のマネジメントスタイルを真逆に変えているからです。中国に赴任した当初は、社員の意志を尊重して行なっていたのですが、途中から「自分が責任を持ち、社員を引っ張っていかないといけない」という意識に目覚め、自分がもっとも苦手とするグイグイ型のリーダーシップスタイルを行なっていました。事実それがうまく機能したところがあるので、一つのやり方が正しいという授業の主張には違和感を感じてしまいました。

 

授業が終わったのち、思うままに授業の内容についてクラスメートと議論。文化によってマネジメントの良し悪しは変わってくるとはいう議論があったものの、心理学的・経営学的な研究成果をベースに絶対的なマネジメントスタイルがあるというような講義のスタンスに対しては、多くの学生が疑問を感じているようでした。ただ、そうしたこと改めて考えさせてくれているというメタ認知的な観点で見れば、この授業の価値というのも見えてくるような気がします。

 

 

では、では

10月10日〜Master Strategist Day〜

水曜日は授業なし、というのが通常なのですが、今日は特別でした。というのも、Master Strategist Dayがあったからです。このイベントは、例年盛り上がるイベントであって、毎年決められた企業のケースを元に、その企業の戦略を立案するというもので、全ての学生が参加するという大々的なイベントです。わたくしのグループも、この会社の規模拡大においてどのような施策が重要かについての戦略立案を行いました。

 

このプログラムは朝の9時から夜の7時までで、とにかく疲れました。とは行っても、グループの面々と更に深い議論をすることができ、非常に学ぶべき点が多かったような気がします。

 

特に、このイベントはPLDPと関連していて、グループディスカッションのうちにビデオを撮るようにという指示がありました。よくスポーツの体育会に所属しているときは、各試合のビデオを見ながらフィードバックを行うということを行なっていたのですが、同様にミーティングの場においても、ビデオを用いたフィードバックというのを行いました。

 

特に私は、比較的グループの中では発言数が少ない方でしたので、いかに役回りを変えることによって貢献をすることができるかという点に照準を置いていました。そのおかげで、なんとか対応ができたような気がします。

 

夜は、このMaster Strategist Dayで疲れ果てた中国人学生同士と食事。グループによっては、グループワークに不快感を示す人も多くいるみたいで、改めて自分のグループの面々のMaturityに感謝するほかないなと思ってしまったところです。

 

では、では

10月9日 〜WACCとキャリアと〜

今日は午前中のみの授業。Financial Market and Valuationでは、満を持してWACCの議論に。事前知識があったのでなんとなく授業についていけてはいますが、少し自信がなくなってきたのもまた一つ笑

 

その後はPrice and Marketの授業。競合時における価格の変動について議論を行いました。これについては、大学の授業で学んだゲーム理論に近いところがあり、なんとなく以前勉強したことがあるなあと思いながら聞いていました。

 

昼にキャリアイベントに参加したのち、家にて家族タイム。とは言いながらも、宿題が溜まってきているのでそれをこなすだけで時間があっという間に過ぎ去ってしまいました。少しずつやるべきことが増えてきて消化不良になりつつある今日この頃。なんとかプログラムスタート時の余裕を取り戻したいところかなと思っています。

 

では、では

10月8日 〜ビザ申請とAsiaと〜

今日は午前中に現地での居留証申請のために、隣町のMelunに行きました。Melunまではバスで20分程度。学生ビザは現地では特にしなければならないことはなく、オフィスに行って本人確認を行い、パスポートにステッカーを貼って終了。いたって簡単なプロセスで、今まで私が経験した中では一番あっさりしていたものでした。

 

終了後学校へ。午後にUncertainty Data and Judgementの授業。回帰分析の続きを行い、多項式における「多様性の良さ」について勉強しました。具体的には、株の動向を予測する3人のトレーダーについて、過去の実績をベースに回帰分析を行うというもので、一番株の動向と相関関係が高いトレーダーが、実はチームでは最適ではないということを回帰分析を通じて明らかにしました。なるほどそんなことがあるのかと関心しながら、やはりINSEADは多様性推しだなとつくづく感じます。こういった些細な授業の一コマにも、多様性がいかに重要かのインサイトを提供するような文化があるような気がします。まあそれがこの学校の特色なのかなと。

 

続いてFinancial Accounting。先入先出法と後入先出法について。その事例では典型的とも言えるOil&Gasをテーマに、これら二つの方法がどのように異なるかについてのレクチャーでした。

 

夜はEast Asia Weekの打ち合わせ。ひとしきり討論したのちに話題はグループワークの話に。以前書いた「仕組まれたプレッシャー/ストレス」という点で、グループの「年齢のばらつき」においても、仕組まれたストレスが出るようになっているんじゃないかなと。INSEADは他のビジネススクールに比べて平均年齢が高めで、Maturityだというのが一般的ですが、年齢幅が非常に広く、若い人だと25歳なんかがいます。そうした人々は良くも悪くも社会人経験が短く協調性に難ありの人たちもいるため、30歳以上のすでに中堅のキャリアに近づきつつある人と作業をする際にどうしても対立が起きてしまいがちです。まあそうしたところも、一つの学びとして考えれば良いのかもしれませんね。

 

では、では

10月5日 〜仕組まれたストレスとBundleと〜

今日は昼からの授業。とは言っても午前中からグループワークに忙殺されました。来週月曜日朝に提出を控える宿題がかなり多く、それに躍起になって取り組む状態です。コンサル出身のグループメンバーに言わせれば、「なんだか職場に戻った気分」ということらしいです笑

 

人工的に作られたプレッシャーの状況ですが、よくよく考えると以下の点で非常にストレスフルかなと思っています。

 

①時間割が非常にフレキシブルで、ルーチーン化できない

普通授業というと、毎週決められた時間に決められた授業があるとイメージしますが、そこはIntensiveのINSEAD、限られた時間を有効に使おうと、時間割が流動的になっています。すでにこの辺りは、私のブログを見ていただいている方にはわかるかと思いますが、とにかく毎日が違う時間割で動くので、日々日々スケジュールをチェックし、それに合わせて課題をこなしたりリーディングをやっておいたりとしなければなりません。ただこれは、タイムマネジメントという点では、非常に練習になるのかなとポジティブに捉えています。

 

②課題がグループで議論しないとできないように、うまくできている

グループワークといっても、物によっては各自に振り分けて分担して行うことが可能な物もあります。しかしここで課されるグループワークは、一部はそうしたものがあるのですが、ほとんどがグループでの総意が求められています。そうした中では、必ず時間を決めて集まり、議論をしなければなりません。そういう点では、うまくできているなと思っています。

 

という形で、Pricce and Marketの宿題をこなした後、午後からはPrice and Market、Finantial Market and EvaluationそしてIntroduction to Strategyと授業が進み、19時までしっかり授業でした。

 

Introduction to Strategyでは、Corporate Strategyの延長線上として、Vertical integrationやHolizontal integrationの意思決定について勉強。南米の木材メーカーをケースに、どういうケースで垂直統合を行うべきで、その際にどのような考えでプロジェクト評価を進めていくのかについて議論を行いました。

 

この授業では、二つの指標に基づいて意思決定を行うべきという議論を行いました。その二つとは、そのプロジェクトがしっかりと本業にValueを出すのかという点、そしてそれが費用的に入手がどれくらい難しく、またどれくらい管理が大変かという点です。ただこの二つも、非常にContextを要するものであり、しっかりとした精査が必要であることはいうまでもありません。また同じ産業においても、どのロケーションにおいてビジネスを行うかといった地政学的な要素も入ってくるため、「芸術性」が求められるという点も考えさせられました。

 

よくよく考えると、戦略というのはある種のアートのようなものだなあと改めて考えさせられました。二週間前に同様の問題意識に到達していましたが、こうも異なるトピックで同じ問題意識に到達するという点で、戦略の面白さを感じてしまいます。

 

dajili.hatenablog.com

 

終了後、中国人学生が中華ディナーを行うということで参加。話題はもっぱらBundleシステムの話に。どうやらこのシステムにおいて、シンガポールキャンパスの学生とフォンテーヌブローキャンパスの学生との間で不公平が生じたらしく、一部の学生がかなり強い抗議を学校側に対して行なっているようです。Campus ExchangeはINSEADの醍醐味のようなものでもあり、これを目当てに入学する学生もいる中で、その望みが満たされないというのはある種仕方のないことなのかもしれません。しかしながら、学校側にもキャパシティというものがあるため、必ずしも全ての学生が思い通りの生活を行えるとも限らないわけです。ここにも戦略というべきか、どのように自分の想いを実現していくかというところに、学びがあるような気がします。

 

では、では

10月4日 〜FintechとAIと〜

今日は授業や講演会を含めると、朝8時半から夜9時まで計12時間の連続セッションでした。ここまでくるとノンネイティブな私では夕方になってくると頭の回転が鈍り、どんどん消耗しきってきているのが明確にわかるようになってきました笑 どのようにしてノンネイティブな言語でもフルフルで戦い抜ける体力をつけていくか、今後の課題のような気がします。

 

午前中は3時間のOrganizational Behaviourの授業。実際の事例を用いた説得や交渉のロールプレイングを行いました。ただ正直に言えばロールプレイングの限界を知った1日でもありました。そのロールプレイングでは、それぞれがある立場を演じ、サラリーの交渉やパフォーマンスの評価などを行なったのですが、いくら実務経験があるとは言え、実際にそうした仕事についていないとなかなかリアリティを持って接することは難しいような気がします。加えて交渉やコミュニケーションにおいては、それぞれの文化に大きく影響されるわけですから、そこでも違ってきます。

 

私の場合、実際の仕事の場において、諸事情あって自分の部下を退職に追い込ませるという、非常にタフなそして今後一切やりたくない場を経験しています。そこでは、相手の真剣度が全く異なります。向こうにはキャリアが、人生がかかっているため、一つ一つの言葉の重みが全然異なるわけです。そうした場を知ってしまっている以上、こうしたシミュレーションがどうしても陳腐に見えてしまうのは致し方ないのかもしれません。

 

とはいいながらも、逆にシミュレーションでこれ以上できることもないのかなと思ってもしてしまいます。シミュレーションである以上、自分の人生をとしたという形のことはできなくなるわけで、そうした形のリアリティはやはり現実世界でないとなかなか味わえないというような気がします。そうした意味では、改めて自分の現実世界での経験の貴重さを味わうことができたシミュレーションだったんじゃないなかと思っています。

 

午後にUncertainty Data and JudgementとFinancial Accountingを行い、その後AIセミナー第二弾ということで、Deputy Deanによる「AIとStrategy」という題で基調講演がありました。昨今は第三次AIブームと呼ばれて久しいですが、印象に残っているのが「人間は身近な未来については、それがすぐに起きるだろうと過大に考えてしまう癖がある」というもの。よくこのての議論においては、すぐにシンギュラリティがきて人間の仕事が置き換わられていくというような話が出てきますが、そうした話は、時期尚早ということで、もう少し冷静に考える必要があるのかもしれません。確かに、ムーアの法則に基づいた、AIの機械学習の成長スピードの速さについては目を見張るものがありますが、それでも人間の過大評価の点を見捨てることはできない、ということです。引き続き、この議論をウォッチしていく必要があるなと感じた講演でした。

 

その後すぐ、経営コンサルティング会社が主催する「Fintechと現在の銀行の状況」と題した講演会があったので参加しました。そこでは、実際にFintechのプロジェクトに多く参画してきたコンサルタントによるプレゼンテーションが行われました。

 

Fintechというのは現在世界共通で起きている事象であり、どの角度から見ても、スタートアップに競争優位があるのは否めません。既存勢力である銀行業界も、CVCやM&Aを用いてそうした新規分野への開拓を目指してはいるのですが、まだまだStartupの市場需要への適応力、変化への対応力などでは大きく劣っているというようです。既存の銀行も頑張ってはいるが、圧倒的なStartupやTech企業の優位性の前に苦しんでいる、というのが現状だということです。Fintechは興味のある分野で色々と文献を読みあさったり講演を聞いたりと知見を勝手に広めてきたのですが、こうした実務者から話を聞けたのが今回が初めてであり、非常に有益でした。

 

終了後、当日夜締め切りのグループワークに誰も手をつけていないことが発覚、締め切り1時間前の23時になってWhatsuppグループがにわかに騒ぎ始めました笑 ストレス下での議論ならびに課題遂行については、実務においてもなかなかないことであり、それはそれでスリリングではありました笑

 

では、では

10月3日 〜Discovery dayとWine tastingとグループワークと〜

水曜日の授業がない日に限って色々な収穫があったりします。今日はDiscovery Dayといって、卒業後のキャリアに関して、どのような仕事でどのような内容が期待されるのかといった業界の説明をCareer Development Centerが行いました。コンサルやTMT、インダストリーといったテーマで、各1時間ずつ発表があり、就職後のキャリアやINSEADにおけるリソースの活用法といったところまで、かなりInformativeなセッションだったかと思います。私はコンサルとインダストリーに参加。INSEADはコンサルスクールと呼ばれている通りかなり大多数の学生がコンサルを志望するのですが、その点キャリアや採用プロセスがしっかりとしており、学生としてはとても有益かと思います。逆にインダストリーになると、それぞれの企業が1人を採用するようなかなり狭き門かつ幅広い内容となっているので、個別のネットワーキングが必要な形になってきます。そうした点の違いはスクールによって様々かと思いますが、こうした特徴を見る限りでもとても興味深いような気がします。

 

午後はWine tastingの会に参加。ベトナムシンガポールの同級生が非常にワインに精通しており、彼が開催するTastingの会には多数の参加者が殺到します。今回はブルゴーニュワインということで、年代や地域における白ワインの違いについて勉強‥。

 

正直なところ、ヨーロッパ特にフランスは、こうした自分の文化を「ブランド化」することに長けているのかなと思います。お酒の文化は各国にでもあるわけですが、それを「クール」にかっこよく見せるというところで、フランスが一歩抜きん出ただけなのではないかなと感じてしまいます。日本酒も中国の白酒も、酒の文化としてはワインに負けず劣らずのところがあるので、こうした文化をどのように再解釈・再構築し、ブランドを形成していくかによって、それぞれの見え方も違うんじゃないかなと考察。

 

夜はグループワーク。現在Strategyの授業の課題として、市場のマクロ分析を行なっており、各メンバーが準備してきたプレゼン資料を共有することに。それぞれによって内容は異なるもののしっかりと調べてきており、勉強になりました。ただこれをまとめきれるのかどうか不安ではあります‥。

 

今週は特に宿題が多く、大小合わせて8つの宿題を行なっています。これらを一つ一つ丁寧かつ正確に処理するのは非常に難しく、だんだんと負荷がかかってきているような印象です。こうしたプレッシャー下でのグループワークも一つの学びだということで、貪欲に学べということなのでしょうか‥

 

では、では