読書リレー(44) 努力は報われないのに…ーヘミングウェイ「老人と海」

 

 

またしても、「小さい頃に読んでおけばよかった」と思える本を読んでしまいました。こうした有名な著者の有名な作品が数々存在している中で、どうして私はそれらを読まずに生きてきたのかと感じざるを得ません。その点では、最悪の読後感です。笑

 

ある老人が漁に出かけたら、驚くほどの大きなカジキが釣れた。しかし港に戻ってくるまでに、鮫に襲われカジキを失ってしまう、という話。シンプルに書くとこの二文で終わってしまいますが、色々と考えさせられる内容でした。

 

ストーリー全体がハッピーエンドではないところから、「結局は努力は報われないのか」と単純に結論づけてしまいたくなります。しかしながら、港に戻るまでの老人の描写が生き生きしていることからも、「努力は報われなくても、そこにたどり着くまでのプロセスことが人間として面白いことなのだ」と捉えられなくもありません。

 

数年前に、ネット上であるストーリーが話題になりました。確かメキシコの漁師にMBAを取得したビジネスマンが話しかけ、ビジネスの拡大を勧めます。投資を行い数十年後億万長者になった暁には、漁師は自由になり、酒を飲み歌を歌い楽しむ。でもそれは、今漁師がしていることとなんら変わりがない。という話だったかと思います。

 

確かに結果だけ見ると同じかもしれません。また当時のネットの反応は、「結局金儲けなんて」というネガティブな方面でしたが、私はどちらかと言うと、「そのプロセスが楽しいのではないか?」と思ってしまいます。

この老人と海も、結局はそう言うことを表したかったんじゃないかと…

 

では、では