細谷功『アナロジー思考』〜読書リレー(77)〜

 Kindle Unlimitedで読み放題対象だったので手に取りましたが、うん、とても参考になる内容です。

アナロジー思考

アナロジー思考

 

 

細谷功氏による、アナロジーいわゆる「類推」についてまとめた方法。ビジネスのみならず、アナロジーの手法・メソッドが有効であることを改めて感じさせてくれる一冊です。 アナロジーとは、ある一つの事象を取り上げる時に、別の似た事象を取り上げることで比較したり特徴を浮き彫りにしたりすることで、本書に従えば、アナロジーの目的は大きく分けて、「自分の理解」「他人への説明」「アイデア創出」の3つが挙げられます。

 

特に、一番最後の「アイディア創出」については、新しいアイディアというのは古い二つ以上のものの組み合わせによって生まれるため、一見異なるように見える事象に類似点を見出し、本書の言葉を借りれば「借りてきて組み合わせる」ということがとても大切なアプローチになってきます。例えば、回転寿司を生み出した人は、飲料の工場でビンがベルトコンベアの上を進んでいるところで、「ベルトコンベヤーに寿司が乗っかっていると面白いのではないか」とひらめきます。この事例からもわかる通り、アナロジーの際には似ても似つかない二つがくっつくと、とてつもなく大きな発想に変わるというポテンシャルを秘めています。

 

大事なのは、いかに「借りてきて組み合わせる」のか、という点です。まず一点目に、ある事象と別の事象が「似ている!」、もしくは、「これは使える!」と思えるか、という点です。上記の例え話で言えば、「寿司」と「ベルトコンベアー」がつながらなければならないわけです。ここの着想というところについても、この本はヒントを与えてくれます。そして、このことよりも重要な点として、いかに「借りて組み合わせる」引き出しを増やすか、すなわち知識をストックしていくか、という点が挙げられます。これに関して、ただ闇雲に知識を重ねていくのではなく、ストックの際に、より抽象度の高いレベルで特徴をつかんでおくと、あとで借りてくる際に使いやすい、と本書では説明を加えています。事象があまりにも具体的すぎると、類推するのに必要な特徴点のポイントが狭まってしまうので、注意が必要、ということです。

 

いずれにしても、類推を用いて新しいアイディアを創出するためには、ベースとなる新しい知見が多ければ多いほど良いわけです。ということで、このブログでなるべく多く、そうした知見をアウトプットできればと思っております。

 

では、では