前田亮一『今を生き抜くための70年代オカルト』〜読書リレー(126)〜

 

今を生き抜くための70年代オカルト (光文社新書)

今を生き抜くための70年代オカルト (光文社新書)

 

 

天邪鬼読書継続中で、第二弾としてはオカルトに関するこの本。Kindle Unlimitedにあったからということもありますが、このタイトルを見たときにある純粋な疑問が湧いてきました。

 

「そういえば最近オカルトって聞かなくなったな。なんでだろう?」

 

私が小さい頃は、様々な面で迷信じみた話が出ては消え、ゴシップのようにみんなが騒いでいたと思います。口裂け女やコックリさんといった怪談もの、ツチノコやイエティといった未確認生命体、ユリ・ゲラーのスプーン曲げなどの超能力、果てはノストラダムスの予言など、ありとあらゆる場面でそうした噂話が出てきたのを覚えています。

 

それに比べると、特に2000年代後半になってからでしょうか、そうした話は滅多に出なくなったような気がします。インターネットやSNSの発達によってそうした話がなかなか出づらくなったというのもなるのかもしれませんが、どうしてここまでも差が出ているのかというのが純粋な疑問として湧き上がってきました。

 

この本はそうした1970年代から始まったオカルトブームに対して、それぞれの詳細をまとめるとともに、当時における流行の理由についても考察を述べています。

 

著者によると、こうしたオカルトブームの根元にあるのは「終末」に対する考えを蘇らせたものだと言います。「第一次オカルトブームは、戦争に負けて一時封印されていたはずの日本の精神主義が、オカルトという名を借りて蘇ったともいえる。そこには日本独特の終末論や、滅びの美学とでもいうべきメンタリティが横たわっていた」と言います。

 

ただ、本当にそうなのかなと思ってしまうところもあります。こうしたオカルトは日本のみならず海外においても発生している点、またもしそうだとしたら今においてもそうしたオカルトの話が出てきてもおかしくないわけです。

 

ここで思い出したのが、「シャーデンフロイデ」の考え方です。オカルトの話が消えたと同時に、ネットを中心にバッシングや炎上というものが増えていったような気がします。「昨日テレビでこんな噂に関する話がやっていたよ」というのが、現在では「昨日○○がああいうツイートしてたよ」というものに変わっていったということでしょうか。

dajili.hatenablog.com

 

では、では