東大ケーススタディ研究会『東大生が書いた 問題を解く力を鍛えるケース問題ノート―50の厳選フレームワークで、どんな難問もスッキリ「地図化」!』〜読書リレー(128)〜
気がついたら、こちらのブログに引っ越ししてから読書リレーの投稿が前回で100を超えていました。そんな気がしないのですが、まあブログを始めて早5ヶ月ぐらい立っているので、それくらいの蓄積ができてきたと言われれば納得しなくもないような量になってきました。MBAのプログラムスタートまではまだ時間があるので、ギリギリまで本読み続けて投稿したいと思っています。
東大生が書いた 問題を解く力を鍛えるケース問題ノート 50の厳選フレームワークで、どんな難問もスッキリ「地図化」
- 作者: 東大ケーススタディ研究会
- 出版社/メーカー: 東洋経済新報社
- 発売日: 2010/09/17
- メディア: 単行本
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さて、とはいってもビジネス関連の本を中心に読んでいきたいと思って、Kindle Unlimitedで見つけたのがこの本です。もはやブランド化しつつある「東大生」という言葉が若干釣りのように見えましたが、MBAの授業がケースだということもあり、ケース問題に取り組む際にどのような考えが必要なのか勉強しておこうと思い読んだのがこの本です。特にこの本は、新卒で経営コンサルに就職する人を対象に書かれたいわゆる就活対策本なのですが、その目的に限らず、ビジネスパーソンにとっては一般受けする内容になっているかと思います。
この本によると、問題解決手法は 5 つのステップで成り立っています。
前提確認
現状分析
ボトルネック特定
打ち手立案
打ち手評価
これは本によって定義は様々です。例えば三つ目のボトルネック特定については、ボトルネックというと「成長の妨げとなっている障壁」というネガティブな意味で使われがちであり、「苦手を取り除く」というような意味合いで使われることが多いです。しかしこの本を読んでいくと、実際のところは、「改善可能なところを抽出する」というものであり、「強いものをより強く」的なポジティブな打ち手を考える際にも使うので、ボトルネックという言葉が正しいのかどうかはわかりません。
何れにしても、このステップというのはこの本に限らずかなり一般的に採用されているアプローチかと思います。現状を分析し問題を特定、解決案の抽出とその解決案の実行可能性の検証、というのは、ある意味かっちりとした流れなのかもしれません。
この本では、実際のケースを取り上げてこのフレームワークの解説を行なっています。しかし私のように実際にビジネスをやっている身としては、今ひとつ納得いかないところが出てきてしまうのも確か。というのも、それぞれのプロセスにおいて、実務上様々な問題が出て来るためです。
前提確認→前提がはっきりと確認できないケース。例えば、事業戦略を立てるとして、時間的制約のない「中期計画」を策定する場合、時間の考え方が曖昧になりがち。
現状分析→現状がわからないケース。例えば販売会社の売上拡大がトピックだったとして、売上の詳細データがまとめられていない。まとめられていても、自分が欲しい指標で情報が整理されていない。
加えて、何がファクターかわからないケースもある。STEPとか3Cとか4Pとか色々フレームワーク使っても、全てを網羅する(MECE )ことは果たして可能なのか微妙。
ボトルネック特定→人によって見方が変わったりする。
打ち手立案→センスが必要な部分。
打ち手評価→どうやって評価する?費用対効果を図る手段でも投資回収期間法だったりNPVだったり色々ある。
このアプローチ法というのは拡散から収束という、ある意味演繹的なアプローチ(全ての可能性を取り出して、そこから絞っていくパターン)をとっていると思います。しかしそれを行うと、実際のビジネスの場においては考えるべき要素が多すぎてタイムオーバーなんてことになりかねません。そんなこんなで、やっぱり自分としては、まず改善策のあたりの目星をつけておいて、そこからどんどん広げていくという「仮説思考」の方があっているんじゃないかなと思えてしまいます。
では、では