遠藤功『経営戦略の教科書』〜読書リレー(132)〜

 

経営戦略の教科書 (光文社新書)

経営戦略の教科書 (光文社新書)

 

遠藤功氏の本は個人的に好きなので、色々と読み進めてしまっています。2018年時点で30冊の経営に関する本を出版しています(すごい!)が、どれも一貫したメッセージを持っており、読むたびに発見があります。このブログを始める前にも何冊か持っていたのですが、今回はこの本を紹介したいと思います。

 

dajili.hatenablog.com

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この本は早稲田大学ビジネススクールの戦略論の授業をベースにし、それぞれのトピックについての解説と、日本企業をベースにした事例が掲載されています。

 

内容としては、戦略論によくある差別化戦略などがメインです。ケース自体は他の本でも紹介されているものもあり、真新しさはほとんどありませんが、それぞれ体系的にまとめられているため、ビジネスを勉強するには非常に手頃な本になっています。

 

個人的に興味を持ったのが、「残存者利益」の記述です。ここでいう残存社利益というのは、市場自体が成熟して多くの企業が撤退していく中、あえてその市場に残るという選択を選ぶことによって、その市場における優位性を確立していくという戦略、それによって得られる利益のことを指します。この本では、アメリカ企業のエマーソン(日本企業じゃないのかい!とツッコミを受けそうですが笑)の紹介がされていました。私自身この事例は知らなかったのでとても勉強になりました。

 

この本によると、エマーソンは産業用機械でニッチになることを選択し、そうした事業を集めてどんどん規模を拡大して言ったといいます。興味深いのがエマーソンのM&A戦略で、「競争には敗れたが、高い技術力やブランドを有する企業」を次々と買収し、成熟・衰退市場であっても競争相手のいない一人勝ち状態を様々な事業でキープして言ったといいます。これはまさに戦略勝ちともいえるべきもので、個人的にはこんなM&A戦略もありなのかと目からウロコが出るような思いで読みました。

 

差異化というのは要するに人とは別のことをするということであり、それはどのようなやり方でもあり得るわけです。昔当たり前だと思っていたことが今ではなくなってしまった時、その昔のものをもう一度やり直す、ということでも「差別化」になるわけです。本当に戦略というのは奥が深い。そして戦略論で世界的に有名なINSEADでどんな授業が受けられるのか、今からでもとても楽しみであります。

 

では、では