Se projeter dans l'avenir 〜INSEAD MBA留学記〜

2018年8月からINSEAD MBA留学。MBAで感じたことについてつづります

海外MBAと日本企業の相性

"MBAは役立たず"というウソが出回る理由 | プレジデントオンライン

 

今日見つけた面白い記事。MBAに関する記事がやたらと多いプレジデントオンラインから今日も記事が出ていたのでハイライトします。

 

この記事が浮き彫りにしているのが、日本企業のMBAホルダーの活用方法です。MBA否定論者もこの社会には少なからず存在しているのですが、その論者の拠り所となっている議論が以下のようなものです。

 

・日本の企業のキャリアには役に立たない(就活・転職活動で役に立たない)

・理詰めで考えすぎる傾向があり、日本企業の組織文化と異なる

 

思うに、MBAホルダーと日本企業の相性が悪いということが、そもそものMBA不要論の根源にあるような気がします。それは以下の点でマッチしないと言えるでしょう。

 

①日本企業は、座学で学んだことよりも、業務を通じた経験を重視する傾向がある(この記事でも「経験至上主義」と形容しています)

→The 座学のMBAがこの経験至上主義とマッチしない

 

②日本企業は、依然として新卒一括採用・年功序列の経路依存性を持つ人事システムを持っており、中途採用・転職組に対する門戸がなかなか開かれにくい状況にある

→転職・中途となるMBAがこの人事システムとマッチしない

 

③日本企業は、ミドルマネジメントを中心としたボトムアップ式の意思決定が色濃い傾向がある。

トップダウンを志向するMBAがこの組織論とマッチしない

 

といえるでしょう。

 

こうした理由から、MBAと日本の企業の文化がマッチしない→日本の企業がMBAを活用しきれていない→だからMBAは不要というような議論の流れに持っていっているような印象を受けます。

 

しかし、この考え方には疑問を持たざるを得ません。月並みな表現ですが、日本型企業の特徴と言われた経験至上主義が、新卒一括採用・年功序列の人事システムが、ボトムアップ式の意思決定方法が、これからも成功し続けるとは限らないわけです。

 

ただ、私は単純に反対意見を述べたいわけではありません。もっとメタな視点から考える必要があると思うのです。多分もっと重要なのが、この議論の根底にある「日本企業就職神話」が、何か日本のキャリア観を拘束させているのじゃないかなと考えてしまうわけです。

 

MBAが不要なのは、日本企業との相性が悪いから」という考えの中には、「日本人は日本で日本企業で働く」ことがある種前提条件として設定されていると思います。ただ、この前提条件がいつまでも続くといえるのか、疑問が残るところがあります。すでに多くの外資系企業が日本に進出している中で、日本企業だけでなく外資とくにアジア発の企業への就職、というのも一つの選択肢として浮上してくるのではないかなと思っています。現に携帯メーカーのHuaweiは日本での採用を強化しているといいます。この傾向は続くのではないかなと思っています。

 

あとは、日本人として、そのまま日本に残ることが良い選択肢なのか疑問も残ります。今上海にいるので実感するのですが、便利さでいったら上海の方が上です。子育ても上海の方が、周囲の反応が全然違うのでとても楽です。こっちに来て、真剣に海外移住を考えたくらいです笑 もっと自由に考えてもいいのではないか、と思えてしまいます。

 

 

以上のように、MBA不要論には「日本企業就職神話」があるのですが、すでに綻びを見せつつあるのが現状かと思います。この前提条件が崩れていったときに、MBAがどのように再解釈されるのか、個人的には楽しみなところです。

 

では、では