MBAキャンパスのロケーションについて考えてみる

MBAプログラムの入学を決めるにあたっって、キャンパスの立地・場所というのは重要な要素のうちの一つかと思います。MBAは授業そのものもさることながら、課外活動(Club、Social Events)や就業機会の獲得(転職活動・インターンシップ)など、授業外での活動が重要なウエイトを占めます。そうした活動では、「キャンパスがどこにあるか?」によって、その幅が大きく異なってくるため、キャンパスのロケーションが大事になってくるのです。

 

MBAキャンパスには、大きく分けて「都市型」と「郊外型」があると思います。欧州のスクールで言えば、ロンドンに拠点を持つロンドンビジネススクールが典型的な都市型に、ケンブリッジやオックスフォードなどが郊外型に属します。

 

 

すでにINSEADのキャンパスがあるFontainebleauに到着して一週間近く経ちますが、ここは典型的な「郊外型」であり、以下メリットがあるかなと思いつつあります。

 

①学問に集中できる落ち着いた環境

→まずこっちにきて気づくのが、勉強に適した落ち着いた環境です。Fontainebleauはレストランやスーパーなどは充実しているものの、周囲を森に囲まれており非常に閑静な場所です。これは勉強や学問するにはもってこいの環境です。

よく都市部のキャンパスだと周りに様々な場所(=誘惑?)があると言いますが、ここにはそういったものはまず見当たりません。あるのはメリーゴランドぐらい?笑

 

②学生とNetworkingしやすい、コンパクトな住環境

もう一つの特徴に、街が非常にコンパクトだということが挙げられます。INSEADには寮はなく、大抵の学生は学校近辺のApartmentを借りるか、もしくは郊外にあるシャトー(Chateau)と呼ばれる一軒家をシェアするなどします。といっても、選択肢がそれほど多いわけではないので、必然的に住居が密集します。街中でINSEADの学生に会うこともよくあるので、ネットワーキングには良いと思います。

一方都市部のキャンパスだと、授業が終わったら学生が各々街に散らばっていくため、なかなかネットワーキングの機会がないと聞いたことがあります。この辺りも本当に一長一短かと思います。

 

そして、以下はデメリットかなと…

①他各都市へのアクセス

正直に言いますが、Fontainebleauはヨーロッパの各都市へのアクセスはよくありません。どこか遠出したい場合には、まずパリに出る必要があり、電車で最短でも40分はかかります。また、鉄道の駅からFontainebleauの街中までは、30分間隔に1本バスがあり、これも20分近くかかります。

これは旅行をしたい学生にとっては面倒に感じるようです。パリ市内といってもそこから空港までもまた時間がかかるので、空港に行くだけで片道2時間かかります。これでもINSEAD生の中には金曜日に授業をスキップして2泊3日でヨーロッパを旅行するというツワモノがいるぐらいですから、本当にすごい…。

 

②就業機会獲得の制限

もう一つデメリットとなるのが、インターンといったビジネスの現場と疎遠になることです。都市型だと、キャンパスのすぐ近くにグローバル企業の本社や、スタートアップなどがあるため、インターンシップや企業訪問などが比較的容易にできます。一方で郊外型だと、そこに出るまでに一苦労。自然とそうした活動からは足が遠のいてしまわざるを得ません。都市型のMBAに通う学生の中には、3つインターンを行なっていたという人がいましたが、郊外型のMBAに通う人の中でそこまでやっている人は聞いたことがありません。

 

都市型と郊外型、それぞれメリットデメリットありますが、これは各人がMBAに何を求めているかによって変わってくると思います。個人的にはNetworkingの方が大事と思ったので郊外型を選んでいますし、ロケーションありきの各スクールのカラーだと思うので、ゆっくりとこのフランスの田舎を楽しみたいと思います。

 

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*写真はFotainebleauで毎週開かれるMarche(朝市)