欧米のビジネススクールの違い

先日学校にて、Exchange Programを利用してP4をWharton MBAで過ごした学生とランチをしました。中国出身の彼女は、アメリカでもキャリアを考えていたことから、2ヶ月でも良いのでアメリカで過ごして見たい、という気持ちが強かったようで、INSEADでもフランスキャンパスにはいかず、シンガポールアメリカでカリキュラムを終えるといいます。

 

あくまでその学生からの伝聞にはなりますが、少しINSEADアメリカのビジネススクール(いや、Whartonというべきか)の違いについて面白い洞察がありましたので、以下まとめたいと思います。

 

①学校の規模

欧州のビジネススクールは学部がないものが多いのですが、アメリカのビジネススクールは大学と連携しているため、とにかくスケール感が違うそうです。学生の規模もとにかく多い。1年間に1000人近くいれば、そうなってしまうのも仕方ないのかもしれません。

 

また、授業においてもスケールが違うようです。INSEADだと、選択科目だと少ない時で20名前後の授業が開講されており、少し規模の多いゼミのような授業もあったのですが、Whartonは規模の多い授業が多く、「教授がはるかかなたに見える」距離感だったそうです。というのも、Whartonではビジネススクール生に加え、学部生もビジネススクールの授業を履修できるようなシステムになっているため、必然的に一授業あたりの人数が多かったといいます。

 

②ネットワーキング

その規模感から出てくるのが、ネットワーキングの違いです。Whartonは、学生の数が多すぎて、逆に友人を作ることが難しかったと、その学生が振り返っています。そりゃあ、授業でも大人数だったら、学生間の交流を作り出すことは難しいのかもしれません。その代わりネットワーキングの場所として機能しているのがClub活動だと言います。同じ興味関心を持つ学生が運営するClubが交流の場となり、学生のネットワーキングの場所になっているようです。

 

一方でINSEADにおいては、メインでフランスとシンガポールという二つのキャンパスに学生が分かれます。(Class of July だとアブダビも候補に含まれます)このため、一つのCohortで500人近くの学生がいると言っても、瞬間的に一つのキャンパスにいるのが200-300名程度になります。加えて、INSEAD名物(?)でほぼ毎日何かしらのイベントが行われるため、Clubに頼らなくてもネットワーキングができるというのが特徴です。その代わり、Club活動が弱いのがINSEADの特徴とも言えるのかもしれません。というのも、Club活動にコミットできる期間は4〜6ヶ月となっており、非常に短い。Clubに参加して、「あれもこれもやって見たい」と考えていたらいつの間にか就活シーズンに突入して終了、ということもあったようです。

 

 

③学生のバックグラウンド

また、彼女は学生のバックグラウンドについても面白いことを言っていました。Whartonはファイナンススクールと呼ばれている通り、金融関連のバックグラウンドを持つ学生の比率がとても多いというのです。これはコンサルを中心に比較的満遍なく学生のプロファイルがばらけているINSEADとは違う印象を受けます。そして就職活動も、INSEADが(ほぼ全員)コンサルを受けるのと同じように、Whartonではほぼ全員が金融関連のキャリアを目指すようです。やはりここは各スクールのカラーが出ていると言えるのかもしれません。

 

以上簡単にまとめましたが、わかってくるのは、一口にビジネススクールと言っても、それぞれのカルチャーやカラーが全く異なるという点です。知名度やブランドにとらわれず、自分のキャリアや考え方にfitするビジネススクールを選ぶべきだ、と出願時によく言われましたが、あながち間違いではないようです。

 

では、では