私が欧州MBAを選ぶ5つの理由

MBAのプログラムスタートまで、半年を切りました。今までこのブログでは読んだ本の読後録をメインにしていましたが、これに加えて、MBA留学に関する情報もこのブログを通じてシェアしていきたいと思っています。

 

18年の8月より、INSEAD(インシアードと呼びます)のMBAプログラムに留学することが決まりました。今は居住先の選定やビザの準備等に加え、一部会社が主催するセミナーなどへの参加など、少しずつ準備に向けて忙しくなっている時期でもあります。

 

INSEADというとあまり日本では聞きなれない大学ですが、日本人のイメージとは裏腹に、世界的に見れば非常に評価が高いのがこの大学の特徴です。MBAランキングで一番信頼性が高いと言われているFinancial Times紙の最新版ランキングでは、1位のスタンフォード大学に次ぐ2位にランクインしています。去年までは2年連続で1位になるなど、高い評価を得ているといえます。

 

日本で海外MBAというと、アメリカのMBAが圧倒的に知名度も高いです。ハーバードをはじめ、スタンフォードやMITなど、日本人が連想するMBAといえばこういった大学のものだと思われる方が多いかもしれません。

 

そうしたなかで、なぜ私はヨーロッパのMBAを選んだのか。今後のキャリアを考える上で、そして現実的にプログラムを選ぶ上で、様々なメリットがあったのです。

以下、私が感じる欧州MBAのメリットです。

 

①プログラムの評価が高い

すでに上記で触れましたが、日本人のイメージとは異なり、現在MBAで高い評価を得ているのはアメリカの大学だけでない、という事実があります。実際、前述のFinancial Times紙のMBAランキングでは、トップ10以内にヨーロッパのスクールが2校ランクインしています。(INSEAD、LBS)。トップ30までに範囲を広めると、アメリカの大学が16校とトップではありますが、ヨーロッパの大学が9校、アジアの大学が5校(INSEADは、フランスとシンガポールの両方にキャンパスがあるが、簡易的にヨーロッパでカウント)とMBA=アメリカという図式ではなくなってきているのが見て取れます。

今から20年前までは、アメリカの大学がこうしたランキングの上位を総なめしていたのですが、世界経済におけるアメリカの相対的地位の低下や、ヨーロッパや中国・インドといった大学の努力により、年々両者間の差が縮まってきているどころか追い越している現象も見られます。

さらに近年では、トランプ大統領就任に伴い、海外からの就業者に対する冷遇が噂されていることも影響を与えているようです。アメリカへの留学のメリットが薄れておりMBAへの出願者が減る一方、ヨーロッパやアジアのMBAプログラムの出願者が増えている、という情報もあります。

 

②プログラムの期間が短い

海外MBAを検討されている方は、すでに社会人になられている方が多いと思います。現在安定したポジションにいる中で、あえてもう一度学生という立場に戻り、勉強し直すというのは、金銭の面でもリスクの高い行為といえます。このため、いかに学生の立場でいられる期間を短くし、その時に得られたであろう給与収入が得られないことによるロス(機会損失)を少なくするか、というROI(Return on Investment)の観点が必要になります。

この点で、ヨーロッパのMBAは非常に柔軟性があります。2年のプログラムが主流であるアメリカに対し(一部を除く)、ヨーロッパはほとんどが1年から1年半の期間でプログラムを修了することができます。INSEADやCambridgeのMBAについては10ヶ月、ロンドンビジネススクールは15ヶ月から21ヶ月というレンジです。こうした短期間のプログラムにより、ビジネスの現場から離れる期間を短くし、MBAの経験をスムーズにキャリアに生かすことができます。

 

③海外学生比率が高い(ダイバーシティの高さ)

海外学生比率の高さは非常に重要だと思っています。MBAでは特に学生同士の人脈構築はもちろんのこと、ディスカッションを通じた学生からの学びも多いところがあります。こうした状況で、現地の学生の比率が多いと、どうしてもプログラムの内容や学校のサポートも現地寄りになってしまいます。そして海外学生へのサポートは蚊帳の外に置かれがちです。私は大学学部生時代に台湾に留学していましたが、まさしくそのような状況に置かれていました。

アメリカの大学では、相対的に海外学生比率が低い傾向にあります。ほとんどの大学が、海外学生比率が30%台となっています。これは逆にいえば、3人に2人はアメリカ人ということになるのです。さらに、「海外学生」にも注意が必要です。これはMBAプログラムに留学した日本人にカウントされている学生でも、学部時代にアメリカに留学経験があったり、そもそもアメリカ国籍がないだけでアメリカ在住が長い学生がいたりと、海外学生といっても相当にアメリカナイズされている人が多いと聞いています。

しかしヨーロッパのMBAはそうした点を考慮し、海外学生比率を90%台に調整しています。さらにある国の比率が高まるなどの偏りがないように、学生の比率を調整しているといいます。さらに、MBAの授業で紹介されるケースも、地域の偏りがないように調整されているといいます。こうした中では、MBAプログラムを通じて国際感覚を身につけることができるのは、アメリカではなくヨーロッパである、ということができるでしょう。

 

④平均年齢が高い(社会人経験が長く、実務経験と座学のバランスが取りやすい)

ヨーロッパのMBAに特徴的なのが、学生が相対的に年齢が高めということです。アメリカのプログラムでは平均年齢がだいたい27歳であるのに対し、ヨーロッパは29~30歳が多いです。この違いは、ダイレクトに実務経験の違いに響いてきます。27歳ですと、実務経験2年程度であり、まだ大きい仕事は渡されにくいイメージです。一方で29~30歳となると、私のように海外駐在や管理職の経験者が出てくるため、比較的実務経験でも豊富な人が学生として学びにきます。このMatureさが、また学生同士の学びを促進させ流ことにつながります。

 

⑤学費が安い

これは私のように私費でMBA留学を検討する人にとっては死活問題です。あくまでも「アメリカの大学と比べて」という条件付きですが、それでもヨーロッパのプログラムは、アメリカと比べて安価に設定されています。アメリカのトップスクールとなると、年間の学費だけで7万ドルを超えており、2年間の学費の総計は1600万近くになります。一方ヨーロッパのトップスクールの学費は、1年ということもありまず学費が抑えられるというのもありますが、一番高価なロンドンビジネススクールでも最長2年で約8万ポンド。日本円にして約1200万ですから、75%も違うわけです。世界的な物価の上昇に伴いMBAプログラムの学費もうなぎのぼりに上がっており、年率約4%のスピードで上昇しています。これを考えると、アメリカもヨーロッパもそもそも学費が高すぎて諦めざるを得ないケースも出てくるかもしれませんが、何れにしても現段階においては、ヨーロッパの方が安価といえます。

 

以上のように、ヨーロッパのMBAはそれぞれメリットがあります。もちろん、人それぞれによってMBAをとる目的が異なるので一概にはいえませんが、私のように「社会人になってビジネスに興味が湧いた。ただ、コスパよく集中して勉強したい」という考えの方にはオススメだと思います。

 

では、では