日本の航空会社に差がついた理由はLCCなのかな?

タイトル通り。ちょっと読書とMBAに関するトピックから離れて、マイラーである私が個人的に好きな飛行機に関するビジネストピックを。

 

先日プレジテンドオンラインで次のような記事を見つけて、面白いなと思っていたのですが、昨日の夜に早速関連するニュースが飛び込んできました。

president.jp

headlines.yahoo.co.jp

 

これらをまとめると、次のようになります。

①2009年のリーマンショック以降、JALANAの立場が逆転、以降差を広げられている。

②この差をつけられている背景に、各社のLCCへの対応の差が出ている。ANAは自社の拡大路線のみならず、 LCCを抱え込みしっかりと需要取り込みができているのに対し、JALは自らが3分の1を保有するジェットスターに対するビジョンが見いだせていない

③こんな中で、JALも新しいLCCを打ち出す計画があることがわかった。ターゲットはジェットスターと重複しない欧州路線。

 

というものです。

確かにそうなのかなと思ってしまう流れですが、と同時に少し違和感を持ってしまうストーリーにも思えてしまいます。確かに、ピーチアビエーションとバニラエアの提供座席数は2012年の約200万席から2016年の800万席と、目覚ましい成長を遂げています。これ一つに起因させるのも良いとは思いますが、個人的に思うところはまだまだ理由があるんじゃないかなと思われ。

 

ANAが伸びたのは羽田国際線発着枠の拡大

ANAのアニュアルレポートによると、2016年の旅客収入は1.1兆円ですが、このうちの半分以上が国際線で占めています。国内線の収入が横ばいで推移する中、国際線の収入における割合はここ数年で右肩上がりで成長を遂げており、特に2014年の羽田国際線枠の拡大に伴いさらに成長が加速しているような印象を受けます。

思えば2014年の発着枠の議論はANAの独断場のように見えました。財務危機に陥ったJALを尻目に交渉でも攻勢を仕掛け、アジア路線を中心に拡大に成功しました。従来は国際線といえばハワイやグアムなどの観光路線が主流でしたが、ビジネス目的とするアジアの渡航が増える中、ANAがしっかりとその需要をつかんだ格好になるわけです。

 

LCCと連携したマイレージプログラムの充実化

これはLCCと関連しますが、マイレージプログラムを充実化させているという点では、ANAに軍配があがると言えるかと思います。そもそもANAは世界最大のネットワークのスターアライアンスに所属しており、特典航空券の幅が非常に広いです。加えて、LCCのバニラエアにも対応しているため、使い勝手が良い印象を受けます。

実は過去には、JALにもスターアライアンスに入らないか打診があったそうです。しかし当時はアライアンスに頼らない戦略をとり、断ったそうです。ここの判断が、今ボディーブローのように効いているのかもしれません。

 

ここから見るように、航空会社って過去の一時の判断がかなり経路依存性を持っていて、なかなか方向転換できない特色を持っているようです。いずれにしても日本のエアラインは素晴らしいクオリティを維持しているので、海外勢に負けずなんとか頑張ってほしいものです!

 

では、では