最近自分の中でブームになりつつあるプラットフォームという言葉。これを若干アカデミックな観点から概念装置を用いて分析しているのがこの本、という位置付けです。

プラットフォームの教科書 超速成長ネットワーク効果の基本と応用
- 作者: 根来龍之
- 出版社/メーカー: 日経BP社
- 発売日: 2017/05/26
- メディア: 単行本
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経営学者によるプラットフォームについて記載されたこの本。学者が書いた本らしく、ある現象について、「これはこういう現象である」とコンパクトにまとめた言葉でもって表現しているため、言い方を変えると辞典のような、また教科書のような本になっています。私個人としては、あまり知らない言葉が多く含まれていたので、とても勉強になりました。
著者によると、プラットフォームは次のような特徴を持っているといいます。
・急速に成長することができる
・一人勝ちすることがある
・一人勝ちが突然くつがえされることがある
こうしたプラットフォームビジネスで成功したのが、初期で言えばITビジネス(グーグル・アップルなど)であり、現在のシェアリングエコノミーのビジネス(Airbnbやウーバーなど)であると言えます。
また、こうしたビジネスモデルは、技術優位がそのまま競争優位になるとは限らず、プラットフォームビジネスの原理をしっかりと把握し、然るべき手を打つことができれば、競争優位を勝ち得ることができると主張します。
こうした議論を見ていると、もはやこれらのビジネスモデルは、単純に「モノを売って利益を得る」という考え方から程遠いことがわかります。前述の『ITビジネスの原理』でも、マッチングが大事だということが述べられていましたが、これも単純なビジネスモデルとは一線を画しています。
私個人はこういったビジネスモデルに疎いので、もう一度勉強し直さなければと痛感させられる本です。
では、では