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なぜ無印良品は深センでホテルを始めたのか

中国「無印良品ホテル」に泊まってみた!評判だが違和感満載 | 谷崎光の中国ウラ・オモテ | ダイヤモンド・オンライン

 

2018年1月に世界で初めてとなる無印良品ホテルをオープンしたそうです。このホテルでは、無印良品の製品コンセプトそのままを演出、寝具やアメニティなど、全てが無印良品の製品だと言うのです。この記事ではその無印良品ホテルに実際に泊まって見たレビューをまとめています。

 

タイトルでは「評判だが違和感満載」とありますが、記事そのものは終始フラットなものになっていると思います。確かに、金額だけ見ると、一泊900元(約15000円)と、深センのビジネスホテルの相場(500-700元)と比べてもかなり割高となっています。

 

この記事では、無印良品ホテルに集まる中国人から見た現在の中国の消費社会についてまとめています。日本の感覚からするとホテルや食事、ショップに至るまで比較的割高な印象が拭えないですが、急速な経済発展とともに豊かになりつつある20代・30代の都市住民を中心に消費が盛んになっていることを考えると、強気の価格設定とも言い切れなくはありません。こうした「エネルギッシュさ」こそが中国の消費社会を表しているのであり、別に日本がどうとか、中国がどうとか、比較できるようなものではないと思います。

 

それにしても、なぜ無印良品はコンセプトホテルの一号店を、中国の、しかも首都の北京や経済都市の上海ではなく、よりにもよって深センで始めたのでしょうか?ご存知の通り無印良品は日本初のブランドですので、こうしたトライアルは日本で行ってもおかしくないはずです。無印良品の広報担当者によれば「深センで良いパートナーが見つかった」とのことですが、それだけではないように思えます。

 

私が思うに、深センはこうした「トライアル」を行う上ではとても適した都市だと思うのです。それは次に挙げられる理由からです。

 

①都市人口の平均年齢

この記事でも挙げられているのですが、無印良品に来店するほとんどが20代・30代だと言います。これは、何よりも深センの都市人口の平均年齢が、他の都市と比べて若いためです。

深センは1980年代までは香港に近い漁村でしかありませんでしたが、以降生産委託やスタートアップなどで近年急速に発展を遂げつつある都市となっています。このため、若い労働人口が一気に流入してきたため、他の都市と比べて平均年齢がとても若いのです。私もよく仕事で深センに訪れますが、ほとんどが30代と言っていいでしょう。

平均年齢が若いと言うことは、流行やファッションに関心を持つ人口が多いことを意味します。このため、無印良品にとってのターゲット層が他の都市に比べて多いと言えるでしょう。

 

②バックグランドとなる背景の存在しない、無色透明な都市

深センは上記背景のため、もともと深セン出身の人口が極端に少なく、一方で中国全土から人口が流入してきました。このため、特定の地域の歴史や文化に染まらない、ある意味では中国版「人種のるつぼ」的な都市になっています。例えば私の深センオフィスの同僚は広西省出身で辛いものが好きですが、もう一人は福建省出身で話し言葉も少し異なります。中国といえども地域によって食事や発音など若干異なりますので、それらがミックスされ、逆に透明になっているような雰囲気を持っているのが深センと言う都市です。

この「無色透明さ」が無印良品のブランドと類似するものがあったのでしょう。絵に描いたような都市生活を享受すると言うことが深センでは可能なので、まさに無印良品のターゲットとなるような都市がそこにはあったと言えるのです。

 

③好奇心旺盛な深センっこ精神

最後に挙げられるのは深センのカルチャーでしょう。前述の『ハードウエアのシリコンバレー深セン』で述べましたが、深センは中国を代表するユニコーン企業がひしめいています。これらは最初は起業家が小さな規模から始めた「スタートアップ」であり、それらが成長して言ったといえます。このように深センには起業家精神というか、新しいもの好きの考えが備わってきているのかなとおもいます。

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こうしたカルチャーが、何かトライアルを行いたい企業にとっては魅力的に移ったのかもしれません。無印良品にとってホテルを始めるのはある意味では挑戦であり、その挑戦を受け入れてくれるような素地を深センが持っていた、と考えられなくはないのです。

 

以上完全なる大げさな考察になってしまいましたが笑 今後もこのように日本企業が何か異業種にトライアルを行うとき、その候補地として深センを選ぶ、というのが一つのトレンドになるのかもしれませんね。

 

では、では