菅原洋平『すぐやる! 「行動力」を高める“科学的な”方法』〜読書リレー(160)〜

 

すぐやる! 「行動力」を高める“科学的な”方法

すぐやる! 「行動力」を高める“科学的な”方法

 

 

脳科学の観点から、人間の行動力についての知見をまとめている本です。ビジネスに限らず、デイリーの業務などで、どうしてもすぐに行動に移すことができないというタイプの人は多いようです。かくいう私のそのうちの一人で、考えがあってもなかなか行動に移すことができない、というのが典型でした。そうした身の回りの悩みに対し、科学的な観点から解決策を出そうとしているのがこの本です。著者は脳に障害を持つ人々に対するリハビリなどを行ってきた方で、そこで得られた知見を参考にしつつ、いくつかのトピックにまとめています。

 

この本を読んで印象的だったのが、人は結局のところ知覚から入ってくる情報を重視していること、という点です。どうしても気がそれてしまい、集中力が維持できないという人に対しては、そもそも集中力がそれてしまうような何かが視界にあるからであり、それを取り除くことが大事だというアプローチを取っています。また聴覚においても、自分の言葉で何かを発することによって、行動に移しやすくなるということもこの本では紹介されています。というのも、行動を司る脳の部位と、発話を司る脳の部位は同じであるため、発話ののちには行動しやすいということになるそうです。

 

かつて大前研一が、人間が変わるための3つの方法として、「1つ目は時間配分を変えること。2つ目は住む場所を変えること。3つ目は付き合う人を変えること。」と述べていますが、まさにこれらは言い得て妙で、結局のところ外部の環境に大きく左右されるというのが人間の性なのかもしれません。自分も、このMBAの環境下で思い切りトランジションを楽しみたいと思います。

 

もうすぐプログラムがスタートしますので、この本で読書リレーは一区切り。ただ、プログラムで読んだテキストや本で面白いものがあったら、ここでどんどん紹介して行きたいと思います。

 

では、では