9月23日・24日 〜風邪でダウン、そしてこれまでの価値について考える〜

やっときた週末。この週末は比較的宿題も少なかったことから遠出する学生も多く、我こそもと意気込んでおりました。周りの動きに影響されて、無理に旅行のスケジュールを組んでみよう、なんて思っておりました。

 

しかし、風邪をひいてしまった。しかもかなり重めのやつです。熱は38度を超え、頭痛と鼻炎がとてもひどい。土曜日曜と何もすることができず、ただ寝込んでおりました。宿題の件でクラスメートと連絡を取り合っておりましたが、どうやら皆同様の症状で風邪をひいていたらしく、「ああこれが集団感染ってやつだな」と一人納得しておりました。

 

さて、何もできないわけですが頭だけは妙に冴えていたので、これまでのMBAの振り返りとこれからの自分のスタンスの取り方についてずっと考えておりました。もちろん、プログラムが始まる前からあらかじめ色々と計画はしていたのですが、徐々にここでの生活に慣れ始めるにつれて見えてきたことが色々とあり、それに応じた軌道修正が必要かなと思っていた今日この頃です。

 

ということで、色々な観点から振り返ったので、以下まとめてみたいと思います。(注:この記事を書いているのは月曜日、比較的症状が軽くなった時です笑)

 

①授業編(あくまで必修科目のみにフォーカスをあてて)

・意外なほど授業の内容に真新しさはありません。語弊を介さず言えば、単純に授業で教わる内容のほとんどは、日本でも学べる(しかも、独学で学べる)ことであり、これだけに絞ると、どのスクールでも同じような内容だと思います。

・一方で授業のスタイル、すなわち学生から質疑応答が飛び交い、これに応じて教授が答えながら学生を導いて行く、という方式にはいまだに慣れません。これには日本を含め東アジア出身の学生にも共通しています(調査済み)。70人いるクラスメートの前で、彼らの理解を遮ってまで自分の質問を優先させるという考え方が、どうにも納得できないためです。もし質問があるのであれば、自分で解決するか、もしくは授業が終わった後に個別で教授に質問すべきであり、わざわざ授業の進行を遮ってまでするようなことではないという違和感がずっと残っています。これがグローバルスタンダードだとすると、これになれるのにかなり時間がかかりそうです笑

・ということで、教えている内容がかなりハードスキルよりで、解答が明確なものであるため、「Learning from peers」の経験はまだ少なめ、と言えるでしょう。これは、勉強する内容がもう少し主観的で、概念的なものになった時に初めて言えてくるので、もう少し待ってみたいと思います。

・じゃあ、何が一体MBAの価値なんだ、というと、今の所は「グループワーク」と、「他の国の人との何気無い駄弁り」だと思います。

前者は、5人の異なる国籍のメンバーと議論をし、一つの結論をしていかないといけないので、予想以上に大変です。ただ、そうした議論の仕方だったり、結論の持ってき方だったり、とにかくグループの進行一つ一つがとても勉強になります。

また後者は、単純に他の国の人と話すことが新しい発見につながるという点です。パーティ等で新しく知り合う人は、大抵自分とは大きく異なるバックグラウンドを持つ人であり、キャリアに対する考え方一つとっても大きな違いがあります。そうしたところを一つ一つ積み上げて、幅広い理解が進められればと思う今日この頃です。

 

②クラスメート編

・授業が始まって1ヶ月近く経ちますが、国籍を問わずいろんな人と知り合っている人もいれば、そうでもない人もいます。ただ言えることは、1ヶ月も経つとだいたいそれぞれの目的意識・方向性というのがわかってきて、共通の認識を有していないとなかなかコミュニケーションが取れないということです。色々観察していると、やっぱりアジア人はアジア人とつるんでるし、ヨーロッパ・アメリカは彼らでつるんでいるような気がします。越境的なバックグランドを持つ人は、人間の関係性も越境的になりやすいですが、そうでない人がいきなりINSEADにきて、Diverseな環境でブレークスルーするのはなかなか難しいかもしれません。

・にしても、クラスメートは本当にいい奴が多い。子供がいることを知っていて、離乳食用にと炊飯器をタダでくれる奴もいるし、宿題を教えてくれることはざら。助け合いというか、見返りを求めない利他的な人が多いような気がします。ここにいると自分の意識も変わって行くような気がします。

・あと気づいたのは、「競争しない」こと。INSEADでは本当に毎日のようにイベントがあり、また週末も皆活発に動いています。また厄介なことに、ほとんどのイベントの参加者が、WhatsappなどのSNSを通じて筒抜けであり、「あいつは今週この旅行にいっている」「彼はこのイベントには参加していない」というのが手に取るようにわかります。こうなると、SNS症候群ではありませんが、概してFOMO(fears of missing out)に陥りやすい環境かもしれません。

しかし、そうした情報に囚われていると、自分のやるべきことを見失いかねないなと気づき始めました。自分はこの環境で何を欲していて、何を達成したいのか、常に問いながら、行動して行く必要があります。このために、冒頭で挙げた「誰かと競争するというマインドをやめる」というのが必要になってくるのです。

 

③キャリア編

・すでに何度も述べているところですが、INSEADのキャリア支援は本当にしっかりしていて、彼らの提供するプラットフォームでしっかりと努力をすれば、それなりに成果を出せるようなプログラムが組まれています。またリソースも充実しており、想定以上に「楽をすることができる」ということがわかってきました。

こうなると、自分の目標をさらに拡張することができるかなと思い始めつつある今日この頃です。今までは、おそらく転職活動で精一杯で、自分の視野を広めるようなことはできないんじゃないかなと思ってきましたが、比較的余裕が見えてきたことから、これらの活動に注力できるような気がします。個人的にはそれは社会起業(特にモビリティ・スマートシティ)であったり、スタートアップであったりするので、関連のイベントへの参加を増やそうかなと考えています。

 

④私生活編

・もうすぐ1歳を迎える我が娘がどんどん元気を増してきて、妻一人だけの手には追えなくなりつつあります。ということで授業の合間を縫って子育てに専念する必要が出てきました。

幸いなことにINSEADは子育てにも適した環境です。まずフォンテーヌブローが子供に優しい笑。加えて、INSEADの中にPartner's roomというものがあり、子供の遊具がこれでもかと設置されています。これらを活用しながら、子育てと勉強を両立していきたいと思っています。

 

では、では