だじりブログ

日々の読書から広がる考察

INSEAD MBAと子育て〜両立は可能か〜

INSEADMBAプログラムはダイバーシティを謳っている通り、本当に様々なバックグラウンドを持つ学生が集まってきます。それは国籍・職歴にとどまらない多種多様性で、「全員がマイノリティ」といってもいいような気がします。そうした中で自分がマイノリティだなと感じるのは、「現地で子育てをしている」という点でしょうか。

 

私は妻と子供を帯同してフランスに滞在していました。アジア系学生の中では、子供まで帯同してきている学生は私一人でした。全学生に広げると、子供を帯同している学生は、北米・南米系を中心にいましたが、決して多くはありませんでした。

 

何故子供を帯同する学生が少ないのか?理由としては2点挙げられます。一つは「学生の若さ」です。INSEADMBAプログラムは公式では平均年齢29歳とMatureな印象ですが、実際にいろんな学生と接していると、それよりも若い人が圧倒的に多い。個人的には、26-28がボリュームゾーンのような気がします。というのも、比較的年齢の高い人たちが平均を押し上げているのかもしれません(最高齢は37歳)。このため、出産はおろか結婚すらしていない学生が大多数であり、なんならここでパートナー見つけるぞ、と意気込む人を多く見かけます(特にパーティで笑)。

 

二つ目が、子供を持つ学生のほとんどが、「子供を帯同しない」という選択をしているためです。日本人学生にも、単身でフランスに来ているという方もいます。またこの他にも、二児のママが子供を夫に預けて単独で乗り込んでいるという学生も。理由は様々ですが、一人では子供の面倒を見れないというような、「止むを得ず」系の理由が多いような気がします。

 

妻は現在修士課程(オンラインプログラム)に通う学生ということもあり、日中面倒をみれる時間は比較的多く取れます。しかしそれでもお互いになかなか大変でした。一番大変だったのはタイムマネジメント。子供は気まぐれもので、ちゃんと決まった時間に寝てくれるときもあればそうでない時もあり、ちゃんと誰かがついて遊んであげないとぐずってしまうこともままあります。更には幸か不幸か、私と妻のプログラムのスケジュールが全く一緒だったので、期末試験の時期には、二人で分担して子供の面倒を見ながら夜通し勉強に徹するという非常にタイムマネジメントの難しい状況となりました。

 

ここまで、子育てはつらいしんどい系のことを書いてしまいましたが、私の主張はむしろ逆です。MBAと子育て、両立は可能か?答えは「イエス」です。というか、私は今回ここに来て、家族帯同という選択をして本当によかったと思っています。そう感じるのは以下理由があるからです。

 

①学校側のサポート

ダイバーシティを謳うINSEADだからなのかもしれませんが、家族帯同者にも優しいシステムとなっています。例えば、妻はPartnerとしてINSEADに登録され、図書館や食堂・ジムなどの施設のアクセスが可能となっています(基本的には全て無料で使用可能。ただし食堂は学生用価格とパートナー用価格と別れている)。これを活用しているPartnerは多く、例えばクラスメートのスペイン人のPartnerは、iNSEADのキャンパス内でリモートワークをしていました。

さらに子供にとっても設備・システム共に充実しています。INSEADには、Partner's roomといって、屋内の子供の遊ぶ施設があります。これとPartnerとの組み合わせで、何ができるかというと、午前中に家族でキャンパスに移動。Partner's roomで子供を遊ばせ、私と妻が交代で面倒を見て、一方が勉強に励むというようなスタイルです。

あと、子供帯同の学生の中には、INSEADが紹介するベビーシッター制度をうまく活用している人もいました。それをすると、ワンオペもできていました。

以上のように、学校側のサポートがとても手厚いので、子育てには優しい環境になっています。

 

②不思議なネットワーキング

子供がいると、子供がいる同士で学生が仲良くなります笑 Partner's roomにいると、我々の他に子供を帯同する学生が出入りするため、その場を通じて新しい人と知り合う機会があります。また、学校内だけでなく学校外でも知り合いができるなど、新しい出会いに繋がりやすいのかな?と思います。(まあ、フランスの片田舎で、小さな子供のアジア人がいたらそれだけで珍しいのかもしれませんが)

 

③フォンテーヌブローという街が子供に優しい

シンガポールキャンパスはこれからなのでわかりませんが、フォンテーヌブローはとにかく住みやすかった、子育てしやすかった印象です。何よりも、人が優しい。子供と歩いていると街中のほとんどの人が気にかけてくれて「可愛いね」と返してくれたり(我々だけでなく他の子供に対しても皆同じような態度)、近くのパン屋ではお店の人が子供用にとパンを差し入れてくれたり(もちろん無料!)、とにかく至れり尽くせり。本当に助かりました。

色々な人に話を聞くと、フランスは本当に子供を愛でる文化が強く出ているのかなと思います。以前滞在した中国は、社会全体で子育てをするものという認識のもと、いろんな人が子供に気にかけてくれました。場合によっては、隣の席に座っていたおばさんが「食べ物は〇〇にした方がいいよ!」とtipsをくれるなど、「気にかける」という表現が正しいと思います。一方フランスは、簡単に言えば「街の人みんなが孫のように接してくれる」という表現になるのかもしれません。子育て自体は気にかけないけど、とにかくこの小さな生き物を愛でたい、というメンタリティな気がします。そんな周囲の環境は、はっきり言って東京以上かと思います。

あと、田舎町の割には食料やベビー品が充実しており、生活に苦労しませんでした。ベビーフードも、オーガニックのものがあったり、それこそマルシェで新鮮な肉魚野菜を買えたりと、生活面でも不便さを感じることはありませんでした。

 

④家族との時間

これはここに来て一番よかったと思う点です。社会人の時は、どうしても時間の拘束があり、なかなか子供と接する時間は限られてしまっていました。一方、学生というのは、確かに授業や課題で忙しいのですが、タイムマネジメント自体は主体的に行えるため、うまく細切れ時間を使って子育てをすることができます。今1歳ちょっとの娘ですが、多くの時間を割いて面倒を見ることができていて、子供の日々の成長を間近で見ることができるので、本当にいい時間を過ごせているとつくづく感じてしまいます。もちろん、周囲の理解なくして今の状態はできていなかったわけですが、正直仕事で子供の大事な時期の顔が見れないのは嫌だなと思っていた自分にとっては、MBAは「育休期間」という個人的な別の意味合いもあるような気がします。

 

ということで、子供がいることはMBAにとってディスアドバンテージには全くなりません。個人的には、私のように「MBAという場を使ってキャリアも子育てもうまく両立する」という考えを持つ人が今後増えることを願ってやみません。

 

では、では