景気とMBAの関係性からビジネススクールのビジネスモデルを考えてみる

今日Yahooニュースを見ていると、こんなトピックがありました。

news.yahoo.co.jp

 

なにせ先週金曜日のアメリカの市場の影響を受け、日経平均株価も一気に650円下がっているわけですから、「一体何が起きてるんだ?」と気にならなくもなりません。そこでYahooのトピックに挙げられていたのが、イールドカーブという話。

 

イールドカーブ、P1のコア科目でもP3のマクロ経済学での試験でも出てきたトピックで、個人的にはとても馴染み深く思えました笑 イールドカーブとは長短期の金利をつないで描く利回りの曲線と表現できますが、この傾きがマイナスになっている、すなわち短期の金利より長期の金利の方が小さい、という現象が発生しているといいます。

 

これは一般的には景気後退の予兆とされ、実際下記イールドカーブの傾きの推移を表したグラフから見て取れるように、逆イールドカーブは2000年代前半のドットコムバブルと2008年のリーマンショックの前にそれぞれ発生しており、次の景気後退の予兆を示しているものなのかもしれません。

Yield Curve --GuruFocus.com

 

個人的には、このイールドカーブの話は聞いていてメカニズムはわかるのですが、だからと言って景気後退を説明する因果関係にはなっていないのかなとも思ってしまいます。一定の相関関係はありそうですが、イールドカーブが発生したから景気が確実に後退する、とはっきりとした因果関係は成立しないのではないか、と思ってしまいます。とは言いながらも、結局のところ景気はどうしても浮き沈みがあるので(この辺りの話について、サプライチェーンマネジメントの授業で面白い洞察をもらったのでまた次の機会に考察したいと思いますが)、今の好景気は必ず終わりが来るものだと思っておくべきかとおもいます。何より歴史が証明しているので。

 

では、景気が悪くなるとMBAにどのように影響が及ぶのか、ちょっと考えて見たいと思います。

 

よく言われていることとしては景気とMBAは負の相関関係にあると言われます。すなわち、景気が悪いとMBAへのアプリカントが増え、景気が良いとMBAを志す学生が減る、というものです。

 

このトピックで色々調べて見たら、同様にブログで同じようなこと考えていた人がいました笑 しかもINSEAD卒業生笑

blog.ladolcevita.jp

時は2008年、リーマンショック真っ只中の記事で、同じく景気とMBAの相関関係について考察したものです。当時は今とは異なり、MBAを志す学生が多かったようです。

 

一方で現在はどうなのかというと、アメリカのMBAプログラムを志す学生が、年々現象傾向にあるとのこと。

www.cnbc.com

ただし、10年前と異なるのが、MBAプログラム自体の多角化(ヨーロッパ・アジア)があります。このため、一概に「景気が良いからMBAアプリカントが減っている」とも言い切れないのかもしれません。ただ一つの仮説として、「負の相関関係はありそうだ」と言えなくもなさそうです。

 

ではなぜこんなことになるのかというと、MBAはキャリアを変えたり、キャリアを中断したりと、「分岐点」で考える学生の方が大多数を占めています。このため、景気が良い時には、「景気が良く仕事が好調なので、MBAに行かずこのままキャリアを進めたい」と考える人が多い一方、景気が悪い時には、「景気が悪く仕事がないので、とりあえずMBAで勉強して次のキャリアに備える」と考える人が多くなる、というのが一般的に言われている説明になるかと思います。

 

ということで、非常に景気変動を受けやすいMBAですが、ビジネススクールはどうやってリスクを分散しているのか。ある教授が授業の余談としてこのトピックで話をしていましたが、彼曰く、これに対する回答は、プログラムの多角化だそうです。すなわちEMBA。EMBAは企業派遣が圧倒的で、景気が好調の時に需要が増えるようです(好調なので、教育投資にかけられる剰余金が増える→多くのアプリカントが押し寄せる)。このため、景気変動とは正の相関関係にあるのだとか。これによって、MBAプログラムの需要変動とうまく相殺し合っているというのです。

 

いずれにしても、競争が激しいアメリカや中国はともかく、日本からのアプリカントはあまり景気との関係性は薄いのかもしれません笑

 

では、では