家族帯同でMBAに行く際に考えるべき視点

現在海外MBAを考えている方から、「家族帯同のメリットデメリットを教えてください」という質問をいただきました。私は海外MBAの期間中、妻と子供を帯同していたこともあり、よくこの手の質問を受けるのですが、よく見落としがちなのは以下の点かと思います。

 

(1)家族の帯同によって得られるベネフィットは、家族が日本にとどまることよりも有益か?

ご家族を帯同される場合には、大きな出費になるかと思います。特に私費になると、自身の学費に加えて、住居や生活費等も頭数増えることになりますので、かなりの出費増となります。さらには、帯同のパートナーが働かれている場合、キャリアに1〜2年の断絶が発生してしまいます。それについて、本当に相手が理解を示してくれるのか、慎重に慎重を重ねる討議が必要でしょう。

 

ただ、家族の帯同によって得られるベネフィットは計り知れません。よくよく考えれば、自分の融通の効く時間が1〜2年与えられるわけですので、大事なパートナーとのゆっくりとかつ充実した時間を過ごすにはとても良いタイミングとも言えます。これは仕事の環境においてはなかなか得られることができないので、学業とは少し異なる話ではありますが非常に重要な要素となってきます。

 

(2)家族を帯同するにあたり、清濁併せ吞むことはできるか?

家族を帯同することはそれなりのリスクおよび労苦が伴います。パートナーが海外生活に不慣れだと、生活の立ち上げに時間を要するかもしれません。また、ご自身が勉学に励んでいる間は、パートナーは実質ひとりぼっちもしくはお子様と孤立した状態にならざるを得ないので、しっかりとしたケアが必要です。駐在生活とは異なり、不慣れな海外の中である程度自活して生活して行くことが求められますので、そのあたりを踏まえて検討する必要はあるでしょう。

 

(3)家族帯同によって留学の目標は果たせるのか?

正直なところ、家族帯同によってデメリットも発生します。それが現地の学生とのネットワーキングの時間が削られてしまうことです。家族のケアや一緒にいる時間を尊重するあまり、クラスメートや課外活動の時間がなくなってしまうということは往往にして起こり得ます。これをどう捉えるかによっては、家族を帯同することについては慎重になる方も一定数いらっしゃいます。

 

総じて、個人的な体験談にもなりますが、家族と一緒に留学をするというのは非常に有意義な時間になると同時に、トレードオフも看過できません。そのあたりも踏まえて検討をする必要がありそうです。