ビジネスパーソンでも歴史が好きになる新書3冊①

営業として働いたり、コンサルタントとしてクライアントに接していく中で、特にマネジメントレベルの人たちで歴史が好きな方は少なくありません。歴史を知っていると、それだけで教養を持っているように見える(と断言したら失礼ですが)のが、歴史という知識の不思議かつ素晴らしいところかと思います。

 

しかし、ほとんどの人は歴史と聞くと拒絶反応が起きてしまう人がいるのではないでしょうか?過去の人がやったことなんてまるで興味ない、というのはある種当たり前の観点かもしれません。

 

私個人は歴史は非常に好きです笑 なので歴史が嫌いな人の気持ちを100%理解しているわけではありません。ただ、自分がなぜ歴史が好きなのかと言われると、現在とのつながりを見いだすことができるから、と言えるでしょう。過去を通じて、今起きていることと共通する、この世の中の「共通項」を見つけることができるという点で、過去は非常に面白い、とも言えます。

 

そんな中で、ビジネスパーソンでも興味が湧くものとして考えられるのが、「ビジネスの歴史ってなんだったんだろう」というものではないでしょうか。今自分が仕事で行なっていることが、実は過去とつながっていた、と考えることができると、過去とのつながりができると、それだけで歴史が楽しく見えてくるのではないでしょうか?

 

ということで、今日は私が読んできた中で、ビジネスと歴史をうまく組み合わせた面白い新書を三冊紹介します。

 

 

まずはこの一冊から、著者の藤野英人さんは投資家として非常に有名な方ですが、その方が書いた商売の日本史というこの本は、経済の大局観をみる上でとても面白い視座を与えてくれます。

 

この本が面白いのは、日本人の歴史を、外に開いて大きく交易を促進する「ウミヒコ」の時代と、うちに閉じこもって独自の文化を作り上げる「ヤマヒコ」の時代という二つの軸でとらえ直していることです。この軸によって、今はどの時代の流れなのか、そしてこれからどうなるのか、というのがおぼろげながらも見えてくるかもしれません。

 

今COVID-19によって先行きが極端に不透明な時代になっていますが、こうした過去の流れから今を捉えるとまた違った見方ができるのかもしれません。

 

 

 

二冊目は、織田信長とビジネスという観点で歴史をとらえ直したこの本です。織田信長というと戦国武将で、彼が行なった政治的な実績に目がいきがちですが、織田信長ビジネスパーソンないしは起業家として考えると、ものすごいイノベーターであることがわかる、そんな一冊です。

 

例えば楽市楽座。これは今まで寺院などが有していた既得権益の中でも、領地においてビジネスをするという一番美味しい権利に着目し、身分に関係ない自由な市場を作り上げ、新しい市場を作り上げました。

 

これはまさしく今のUBERと同じではないでしょうか。既存のタクシー業界が有していた既得権益を破壊する、破壊的なイノベーターという点では、織田信長アメリカのスタートアップも同じことをしていたわけです。こうした観点で見てみると、UBERも決して新しいものではないという事実が浮かび上がると同時に、織田信長の新たな一面が見えてくると思います。

 

 

三冊目は、少しぶ厚目のこの本。歴史というよりかは、過去に色々あった事例を掘り起こして、「コミュニティー・キャピタル」について描いている本です。これが面白いのが、共同体に所属していること自体が価値が高いことに働く場合がある、ということを、様々な過去の事例を用いて実証しているという点にあります。

 

最近はSNSなどでコミュニティビジネスが盛んですが、これらについても、過去に事例が数多あるわけです。そうした事例を見るにつけ、私たちの現代のビジネスというのは、なんら新しいものではないと気づかせてくれる、そんな一冊です。

 

引き続き、このシリーズで色々と本を紹介していきたいと思います。