読書リレー(45) 邦題が違う良本ー「残酷すぎる成功法則」

良い本ですが、邦題が違います。

 

 

アメリカのブロガーによる、一般的に「成功する」と言われている常識に対し、科学的なデータを用いて実証していこうと言う本。ビジネススクールの教授陣の最新の研究を余すことなく紹介し、今まで認識されてきた「成功するためのHow to」に対し詳細な分析を加えています。例えば、高校や大学で高い学業成績を残した学生が、必ずしも社会で活躍するとは限らない、とか、リーダーには2つのタイプがある(それをアメリカの歴代大統領を用いて分析したのが経営学博士課程の学生と言う点も面白い)、とか、内向的な人々にもメリットはある、成功した人は必ずしも家庭でもうまく言っているわけではない(アインシュタインの妻に対する誓約書など)、と言った内容が盛り込まれてます。内容自体は、作家の橘玲氏の書籍と同じようなテイストであり、またいくつか内容も他の欧米系の書籍と重複されていることから、個人的には真新しい内容はあまりありませんでした。しかし内容が厚く、多方面に渡具体例が豊富に盛り込まれているので(アメコミ好きにはたまらないたとえも笑)、楽しく本を読めました。

 

少しきになるのが、本書の内容ではなく、邦訳。邦題が「残酷すぎる成功法則」となっている点で損している。原題はBarking up the wrong treeーThe Surprising Science Behind Why Everything You Know About Success Is (Mostly) Wrong(見当違いーあなたの知る成功に関するすべては(ほとんど)間違っていることを示す驚くべき科学)で、違う。おそらく、橘玲氏の「言ってはいけないー残酷すぎる真実」から「残酷すぎる」を借用していると思うが、橘玲氏の書籍に取り上げられているトピックは、才能脳遺伝の話というセンシティブなものが含まれており、「残酷」と言っても良いが、ここで取り上げれらている事実自体に残酷さはなく、いたって中立的。

 

また、日本ではなぜか自己啓発本のカテゴリーになっている。タイトルの「成功法則」につられているのかもしれませんが、中身を見ると経営学統計学に関する事例集と言うべきもので、系統的には「ヤバい〇〇学」に近いところ。

 

 

 

「これをやればあなたもできる!」と言う類のものではないので、ご注意を…

 

では、では