読書リレー(46) 経験に勝るものはなしー丹羽宇一郎「戦争の大問題」

戦争は忘れた頃にやってくる。でも絶対に忘れてはならない

 

 

 

伊藤忠商事でトップを務めた後、中国大使になった丹羽宇一郎の最新作。日本社会の戦争に対する記憶が薄れていることを憂慮し、先の大戦で実際の戦争体験をした方々に話を聞き、改めて戦争の恐ろしさを追体験するというのがメインの内容。実体験が非常にリアルなものが多く、目をつぶりたくなるような内容も含まれます。それでも、それに直視することを通じて、戦争を学び直すことはできると思う。

 

著者も憂いていることの一つに、東アジア情勢が依然として不安定であり、結果として日本のそうした東アジア諸国に対するイメージが悪化している、ということがある。中には極論を進める人も目立っている。外に出て見てわかるが、日本人のネガティブイメージは異常だと思う。これだけ現地とイメージの離れている隣の二者間はなかなかない。解決する方法はあるのか。

 

何よりもすごいと思うのが、自分よりも年上の人々に対し、実際に話を聞いて回ったこと。この歳になってこんなことができるというのは、なかなかいないと思う。どこまでたっても謙虚な姿勢は持ち続けたいものです。

 

では、では