ファーストフード店の明暗が分かれつつある理由

今日見つけた面白い記事二つ。

 

急回復マックが"今がヤバい"と考える理由

サブウェイが4年で170店舗も閉めた理由

 

投資の世界では、ファーストフード店舗の株は「デフレ株」とされて、こうした好景気に沸く現在においてはあまり注目されない銘柄だそうです。それもそのはず、不況の時には家庭の財布の紐がきつく閉まり、コストパフォーマンスの高い(と思われるが実はそうではないと私は思う)ファーストフードに客が集まるからです。

 

そうした通説を見事裏切るかのように、現在ファーストフード業界においてかなり明暗が分かれているような気がします。それが、マクドナルドとサブウェイ/モスバーガーマクドナルドは売上も非常に好調である一方で、サブウェイとモスバーガーは店舗閉鎖に追い込まれているというかなり対極的な状態にあります。

 

マクドナルドについては、まさに逆転劇と言えるかもしれません。鶏肉の品質問題がクローズアップされてからというもの、「品質は悪いマック」にさらに拍車をかける形になってしまい、一時はかなり厳しい状態まで追い込まれています。しかしそこから立ち直り、V字回復を遂げています。

 

 

一方で、サブウェイやモスバーガーは、一時はかなり好調な時期がありました。サブウェイは「野菜がたくさん取れる」をキーワードに、ビジネスパーソンを中心に人気が出ていましたし、モスバーガーも、各材料の産地を紹介したりオーガニックにこだわるなど安全や健康を前面に押し出し、「ハンバーガーは食べたいけど健康にも気を使いたい」という女性やファミリー層のニーズを掴んでいったと思います。しかし現在においてはそうした「健康」「野菜」に対するニーズというのは徐々に薄れており、この方面でブランドを築いてきた二社にとっては厳しい状況にあると言えます。

 

思うに、マクドナルドがここまで業績をあげられたと思うのは、信頼回復への努力はさることながら、他社のブランディングに惑わされず、マクドナルドらしさを追求したところなんじゃないかなと思います。マクドナルドに来る客というのは、「健康や品質でマイナス面もあるけど、それでもマクドナルドにしか出せない味がある」と思ってきているわけです。これを改めて見つめ直し、様々なキャンペーンを展開して行ったことが、今回の成長につながっているのではないかなと思います。

 

よく隣の芝は青いという言葉がある通り、隣で誰かが成功していると、どうしてもその成功を羨み、真似しようかなという考えになるのが人間の性分かと思います。ただし、そうやって盲目的に追随することで自分らしさを失ってしまう可能性もあるわけです。今回のマクドナルドは良い事例で、苦しい時でも自分のアイデンティティを見捨てないというのは、案外大事なことなのかもしれません。

 

では、では