MBA Period Zero week 5 〜ベンチャーキャピタル〜
粛々と続いていたMBA Period Zero。フランス発のライドシェア(INSEAD卒業生がCEO)のケースを中心に、起業においてスタートアップ・ベンチャー企業が直面する問題にトピックを絞り、それぞれのレクチャーを行なって行くというオンライン型の講義です。
そのWeek5、すなわち5週目のトピックがVenture Capitalについてでした。ベンチャーキャピタルとは、スタートアップ・ベンチャー企業など、起業してまもない企業を対象に投資を行う会社のことです。通常の事業投資などとは異なり、様々な企業に投資をしてポートフォリオを組みリスクを回避しつつ、スタートアップ・ベンチャー企業が上場した際のエクイティによる利益で持ってハイリスク・ハイリターンを狙うというタイプの投資スタイルです。
私も過去に『Yコンビネーター』という本を読み、なんとなくベンチャーキャピタルについて知識はあったのですが、今回改めてベンチャーキャピタルのあり方を勉強することができ、とても興味深い内容でした。

Yコンビネーター シリコンバレー最強のスタートアップ養成スクール
- 作者: ランダル・ストロス,滑川海彦,高橋信夫,TechCrunch Japan翻訳チーム
- 出版社/メーカー: 日経BP社
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先ほどベンチャーキャピタルは多くのベンチャー企業に投資してポートフォリオを組みリスクを回避するというのですが、この授業で紹介されていたところによると、投資した企業のうち成功したと言えるのは、3%ほどしかないそうです。しかし、その3%の企業から出た収益で、ベンチャーキャピタル全体の利益を賄うほどの金額が生み出されるといいます。これだけ聞くと、とてつもなくハイリスク・ハイリターンの事業スタイルであることがわかります。
この授業でも紹介されていましたが、ベンチャーキャピタルによる投資額が多い国は、まず圧倒的にアメリカです。ベンチャーキャピタルによる投資額は7.5兆円と日本の50倍にも及ぶ金額です。次に中国が急成長を遂げているという図式になっています。
一方で、日本はどうかというと、ちょうど良いタイミングで東洋経済が面白い記事を出していました。
日本においても、ベンチャーブームがきているといっても過言ではありませんが、一方では、日本におけるベンチャーキャピタルは必ずしも整備されているとはいい難いようです。加えて、CVC(コーポレートベンチャーキャピタル)の比率が多いということで、既存の企業内におけるイノベーションを促すような仕組みが主流のようです。
また、日本のベンチャー意欲の低さもあげなければいけません。この記事によれば、2017年における日本の「起業活動率」(18~64歳人口のうち起業準備中および起業後3年半以内の人の比率)は4.7%となっており、調査が行われた54カ国中で50位と、低い指数となっています。この原因として、『さらば、GG資本主義』を執筆した藤野英人氏の説明するところによれば、1990年代後半の銀行によるリスク回避型投資が進んでしまったこと、そしてその流れが継続したことで明らかな大企業よりの社会が生み出されてしまい、結果として2000年代前半のベンチャーブームによって一度は湧き上がった意欲が消されてしまったことがあるといいます。
個人的には、逆に今こそベンチャーに身を投じた方が、競合が少なく成功しやすそうな気もします笑 なんとか日本の環境も変わって行ってほしいものです。
では、では