Japan Trek
P3からP4の休み期間を利用して、日本人学生有志でJapan Trekなるものを企画し、一週間のトレック(という名の旅行)を実施いたしました。この休み期間には、他にもトレック企画が多く、中国・香港・イスラエル・ドバイ・南アフリカ・ニューヨーク・ヨルダン・バンコクとまあ兎にも角にも目白押しで、500人いる学生がそれぞれの興味関心を元に様々なトレックへと旅立って行ったわけですが、それでも日本に対する興味関心は高く、途中参加踏まえ合計で20名以上の学生に参加してもらえました。そしてその出身もバラバラ。少しあげただけでも、アメリカ・中国・スイス・ドイツ・ウルグアイ・ブラジル・スペイン・フランスなどなど、様々な国からきてもらいました。とてもありがたい限りです。
一応私は大学生時代に国際交流団体で色々と日本を回った経験もあり、それを活かしながら以下プランにて旅程を組んでいきました。もちろん、参加者からも「ここがいきたい」という要望があったので、それに応えつつフレキシブルな旅程を組んだので、結果としてかなり満足度が高いトレックになったかと自負しています。
2-3日目:京都(定番旅行地、および文化体験)
4日目:箱根(温泉)
5-6日目:東京(定番旅行地および展示会等)
この旅を通じて実感したのが、外に対しておもてなしする際の日本の表象の変化です。10年前に外国人を連れて日本各地を旅行したときには、どちらかというと興味は歴史的建築物に重きが置かれていたのですが、今回様々な学生と旅行をして感じたのは、歴史的建造物にはあまり興味がわかない。どちらかというと、街中の些細な人々の動きだったり、微々たる特徴に目がいったり、文化体験での所感の共有が行われたりなど、私が以前経験したものとはまた一味違った経験ができたのではないかなと思います。そういった点では、外国人から見た日本の見られ方が変わっているのではないか、そう感じてしまいました。(すなわち、建造物のみではなく、ソフトの面も踏まえたパッケージなところとしての日本表象)
そしてもう一つ、半ば浮世離れして、外国人旅行客の視点から日本を見るとぼんやりと浮かび上がってくるのが、日本という土地のとてつもない観光資源の多さかと思います。今では日本論を中心に有名になりましたデービット・アトキンソン氏が、数年前の著作である『新・観光立国論』でもあげていたように、日本はこれでもかというくらい観光資源がある。季節も春夏秋冬それぞれの楽しみ方があるという点ではオールシーズン対応可能だし、朝から晩まで、とにかく何かしら楽しめるアクティビティが、いつでもどこでも用意されている。例えば、東京に限らず地方都市においても、必ず観光地として史跡は存在するし、昼食・夕食にはその土地の美味しい郷土料理や、特に目立たないものがなかっとしても日本食というパッケージで様々なバリエーションがある。史跡を見飽きたとしても、自然が豊富なので、アクティビティや文化体験など、様々な選択肢が存在している。
イギリス人アナリスト 日本の国宝を守る 雇用400万人、GDP8パーセント成長への提言 (講談社+α新書)
- 作者: デービッド・アトキンソン
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正直なところ、こんな国は世界中探してもなかなか見当たらないのかなと思います。なぜなら、食事・季節・アクティビティ・史跡全てが揃っている地域はなかなかない。INSEADにきて、ヨーロッパからアジアまで全領域に旅行に行っていますが、そんな地域はなかなか見当たりません。例えばヨーロッパは、冬になればもう寒すぎて観光どころではありませんし、食事もまちまち(特にイギリス笑)です。アジアにおいても、東南アジア等はオールシーズン対応のところもありますが、史跡が少なすぎたり、食事があまりバリエーションに乏しいという方が大多数です。その世界の名だたる観光の中においても、日本というのは非常に稀有な存在なのではないか、というのが今回日本を巡って、というか日本の旅行をアレンジしてわかったことです。
こうやって考えれば、デービットアトキンソン氏が述べているように、あと少しの努力次第で、日本も観光大国として大いに化けるのではないか、そんな気がしてなりません。特に、観光業の国際化という観点、そして欧米を中心とした中長期滞在者の取り込みというのは、本当に一つの課題になってくるのではないかな、と思ったところです。
にしても、やっぱりこういう国際交流というか、自分かの紹介というのはやめられません。とても大変でしたが、こうやって自分の見知った場所においてもさらなる発見があるというのは、こうした旅行の醍醐味なのかなと思います。INSEAD生は我が強く、それぞれ自分のやりたいことを好きなように主張するために、それに応えるべく当日のスケジュール変更もざらでした笑 それでもなんとかフレキシブルに対応することができ、とても良い一週間を過ごすことができました。
今はすでにシンガポールに戻って就活モードとなっていますが、ここで養った鋭気で、なんとかP4も乗り切っていきたいところです。
では、では
*写真は清水寺。清水の舞台の改修工事の真っ只中でなかなかここの魅力を伝えるのは難しかったですが、それでもとても楽しんでもらえました。