青野 慶久『会社というモンスターが、僕たちを不幸にしているのかもしれない。』〜読書リレー(129)〜

 

会社というモンスターが、僕たちを不幸にしているのかもしれない。

会社というモンスターが、僕たちを不幸にしているのかもしれない。

 

 

サイボウズの青野氏による働き方に関する新しい考え方を提案する一冊。キャリア論から組織論まで幅広くカバーしながらも、会社というもののあり方、そしてそれとともに個々人のより良い働き方について提案を行なっている本です。

 

会社に関する考え方というのは、すでに様々な書籍で紹介してきたところとあまり代わり映えはありません。新卒一括採用、年功序列をいまだに保持する日本の大企業で、我慢比べをしていていいのか。大企業の中堅社員に呼びかけるような論調です。

 

この本を読んでいて特に面白いなと思った観点は、利益を出している会社が必ずしも良いとは限らない、という点です。

 

企業活動は利益を得ることによって法人税を納め、社会の役に立っているのだという考えが、日本企業に流布しているように思われます。これは松下幸之助の「道をひらく」に多分に大きな影響を受けているからで、赤字・黒字に関する注目関心が途切れないのはそのためです。大企業においても、とにかく黒字化を目指すべくタフな目標達成を求められることがあるといいます。

 

しかし青野氏はこうした考えに懐疑的です。自身がパナソニック出身ということもあり驚きなのですが、そもそも現代はすでにインフラが整備されている世の中なので、法人税を払ったからといって社会の発展に貢献しているとは限らないと、前述の議論を真っ二つに反証しています笑。そして「利益がきちんと配分されているのか」を見るべきだとしています。もっと具体的に言えば、それがきちんと従業員に分配されているのか?という視点です。

 

 

また、「日本の大企業は世界の中小企業」というアイディアも個人的には印象に残りました。思えばアップルやアマゾン、グーグルなどは日本のみならず世界的にも有名な企業ですが、そうした世界的規模の企業が日本にあるのかと言われると首をかしげざるを得ません。実際に時価総額ランキングでは日本の企業は40位以内に一社も入っていないのです。著者の重点は、「そうした世界的に見たらなんでもない大企業にしがみついたキャリアでいいの?」というものですので、この事実はかなり著者の論点を支えているように思えます。

 

では、では