シンガポールでMBA留学するメリット

近年シンガポールMBAプログラムを希望する日本人が増えているようです。シンガポールには、シンガポールの大学がMBAプログラムを有しているのはもちろんのこと、INSEADのようなもともと欧州にあるような学校がシンガポールにキャンパスを有している場合も多く、後者においてはシンガポールが欧米圏からみて「アジアへのアクセスのきっかけ」という場所として機能していることがわかります。

 

私もINSEADMBAプログラムで半年近くシンガポールに滞在していますが、欧州では感じられなかった、シンガポールにいる日本人ならではのメリットを色々と感じています。学業面・生活面において、ここで感じた点をまとめてみたいと思います。

 

①住みやすさ

今まで欧州・アジアと様々な地域に滞在してきた私ですが、今までの経験から言っても、シンガポールの住みやすさは他の都市とは比べ物になりません。食事の面で言えば、日本のレストランはもちろんのこと、食品や雑貨などがローエンドからハイエンドまで豊富に揃います。日本人の駐在員が多いことも影響しているのかもしれませんが、「日本のモノの豊富さ」という点にフォーカスすれば、親日と言われる台湾を凌駕していると思います。

また、病院等のインフラも充実。欧州ではなかなか見つけることができない日系病院もあります。

 

②多様性のバランスの良さ

ご存知の通り、シンガポール多民族国家です。中華系が大多数を占めてはいるものの、インド系やマレー系も多いです。そして意外に思われるかもしれませんが、欧米系の滞在者も多く見かけます。

そして多様性のみならず、その多様性の中身が日本人にとって非常に学びになります。というのも、私がフランスに滞在していた時には、ヨーロッパを中心に、アフリカ・西アジアが大多数でした。これらの国々は、正直なところ日本人にとっては馴染みが薄じく、また特定のインダストリーを除けばこれらの地域とビジネスで接することはあまりありません。一方でシンガポールは多くが中華系。ビジネスの面でフォーカスすれば、ますます影響力が強まる中華圏に触れることができるのは日本人にとっては非常にプラスに働きます。加えて、中国本土の中国人とは異なり、シンガポール人はインターナショナルで非常に接しやすいですので、中国になれない方々でも容易に接することができると思います。(とはいっても、シンガポール人特有の相性というものがありますので、そこは個人差があるとは思いますが)

 

③ビジネスでの接点とシンガポールのアクセスの良さ

現在日本の多くの企業が、成長著しい東南アジアへの進出を強めています。中国における地政学リスクがますます増える中で、生産拠点を東南アジアに移管するメーカーも多いだけでなく、市場としての魅力も増えているようです。2000年代後半に日本国内で、「世界の工場から市場へ」と中国がよく揶揄されていましたが、それと同じような現象が今東南アジアで起きていると言えます。

シンガポールは東南アジアの玄関口として、他の国へのアクセスも抜群。隣接するインドネシアやマレーシアはもちろんのこと、タイやミャンマーにも非常に短時間で行くことができます。INSEADの学生も、週末にこれらの国々によく旅行に出かけていました。そうした点では、非常に魅力的な地域である東南アジアでビジネスの勉強をするのは非常に理にかなった選択と言えるでしょう。

 

もちろん、何を目的とするかで、ロケーションやプログラムの選択基準は変わってきます。例えば欧米で仕事をしたいということでしたら、もちろんシンガポールにいるのはデメリットにはなれどメリットにはなりません。また国際感覚を身につけるという点で言えば、たとえ多くの欧米からの駐在員を抱えていると雖も、シンガポールはアジアに傾倒しすぎていると言えるでしょう。逆にアジアを中心にキャリアを考えていきたいという方にとっては、シンガポールは非常に魅力的な選択肢になるのかもしれません。

 

では、では