Se projeter dans l'avenir 〜INSEAD MBA留学記〜

2018年8月からINSEAD MBA留学。MBAで感じたことについて毎日つづります

佐藤航陽『お金2.0新しい経済のルールと生き方』〜読書リレー(159)〜

 

お金2.0 新しい経済のルールと生き方 (NewsPicks Book)

お金2.0 新しい経済のルールと生き方 (NewsPicks Book)

 

 

経済のあり方が変わろうとしていることを述べたこの本。前回このブログでも紹介しましたが、著者の佐藤航陽氏は起業家であり、『未来に先回りする思考法』などの書籍も執筆する、マルチに活動する起業家といってもいいかもしれません。

dajili.hatenablog.com

 

その彼が今回述べたのが、今後の経済について。著者は貨幣の考え方が変わりつつあることを述べており、今後のあり方とそれにどう対応していけばいいのかについての処方箋のついての考えを綴っています。メインの主張となるのは、今後資本主義社会は、価値主義にどんどんシフトしていくと言うもので、それは貨幣で表し切れることのできなかった価値が、テクノロジーの発展によって、ますます重要性を帯びていくと言うものです。

 

正直に言えば、この著者の考えというのは、経済学者が数十年かけて考えてきたことを、平易な言葉で言い換えたに過ぎないような印象を受けました。価値至上主義についても、経済学者は環境問題が深刻化した1970年代、80年代から、経済学的に通過で芦原せない価値を「外部経済」と名付け、いかにこうした経済活動では表現できない人間としての価値を経済活動における意思決定の範囲内に入れていくか(外部経済の内部かといいます)といった議論がされてきました。すでに数十年前から資本主義の通貨においては価値を全て表すことができないというものは共有されていた認識でありますし、こうした経済学の考え方というのはすでに基礎ベースの知識になっており、大学1年生のミクロ経済学でこうしたものは勉強することになっています。

 

 

また、ここで紹介されている事例も、中国のシェアリングエコノミーだったり、エストニアの電子立国だったりと、真新しさはあまりありませんでした。ということで、この本は評価が非常に難しいです。

 

まあ、メタな視点からこの本を考えると、前述の前田裕二『人生の勝算』と同じように、モチベーションありきのミレニアル世代に共通するスタイルなのかな、と思ってしまいました。

dajili.hatenablog.com

 

では、では